「思いついた絵を描く」絵画作品は350点超える、名寄での田舎暮らしを満喫 ミッキー・カーチスさん

名寄での暮らしを満喫するミッキー・カーチスさん

歌手、俳優、カーレーサー、落語家など、マルチに活躍するミッキー・カーチスさん(85)。2022年9月からは名寄市風連町に在住し、田舎暮らしを満喫。オール名寄ロケの短編映画「運命屋」の主役を務める。「気の合う仲間との撮影が楽しみ。映画を通じ名寄を広PRできれば」と語っている。
1938年7月23日生まれ。東京都出身。幼少期を上海で過ごし、再び東京へ。クラシックピアノ、ウクレレ、ギターを学ぶ。14歳から16歳ごろ、築地の聖路加国際病院で米傷病兵の慰問演奏、米軍キャンプでの演奏を始める。
1958年「日劇ウエスタン・カーニバル」に出演し、平尾昌晃、山下敬二郎と共にロカビリー三人男として注目を浴びる。58年映画「結婚のすべて」で俳優デビュー。59年にはテレビ番組「ザ・ヒットパレード」の初代司会者を務める。
63年には四輪自動車の国際A級ライセンスを取得、マカオ・グランプリに出場。
95年公開の映画「KAMIKAZE TAXI」で、「第69回キネマ旬報助演男優賞」を受賞。落語家ミッキー亭カーチスとしても活動するなど、幅広い分野で活躍。
川路美樹(作詞、訳詞)、ブライアン・カーチス(自動車レーサー)、ミッキー亭カーチス(落語家)、加千須岩水(かちすがんすい・生け花)など数々の異名を持つことでも知られる。「目の前の面白そうなことに手を出してきただけ。ただそれだけのこと」と語る。
ミッキーさんの5番目の弟子に当たるKTパイオニアグループ代表、加藤優樹さんとの縁で、陽子夫人と名寄市へ移住。「名寄での生活は、一緒に暮らしている2匹の愛犬のため。土の地面がない都会には住めない。実際に暮らしてみて、空気はいいし、人間は優しい。自宅で栽培している採れたて野菜は最高。ただ、たくさんいい物があるのに、全国への名寄の売り込みは不足しているように思う。例えば、グリーンアスパラガス、カボチャの箱に名寄のシールを貼ってPRするってのはどうかな」。自宅には大好きな「なよろう」人形が飾られている。
自宅での日常は、朝は午前8時半に起床し、お気に入りのユーチューブチャンネルを視聴。その後は、80歳から始めた絵画に没頭する。
絵画は、名寄を訪れる前、7年間暮らしていたタイ(プーケット)生活のころに始めたという。タイでの新型コロナウイルスに対する規制は厳しく、当時は生活必需品以外、店舗は閉店が命じられたという。そのような中、子どもたちが通う学校もオンライン授業となったが、文房具だけは手に入れることができたという。「カミさんの勧めで絵を始めた。普段は気が向いたもの、思いついたものを描いている。絵は音楽と同じで、自分の思いや考えを表現できる。線がメロディーで、絵はコード(和音)といった感じかな」。これまで描いた作品は、350点を超える。
名寄をロケ地に制作される短編映画「運命屋」。元ミュージシャンの老人が、人の記憶と命を管理する、謎めいた「運命屋」の女性と出会う物語。老人は、そのまま寿命を全うするか、あるいは大切な人の記憶と引き換えに寿命を延ばすかの決断を迫られ、人生において一番大切なものとは何かを自身に問う。
主題歌は「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」で知られる作曲家の細野晴臣さん。映画音楽はロックミュージシャン、音楽プロデューサーのSUGIZOさんが務めるなど、音楽と名寄の美しい景色が映える映画となるとのこと。
「最初は名寄で俺の映画祭をやろうかと話していたが、どうせなら新しい映画を作ってしまおうということでスタートした。世界の舞台に向っていく映画。これで名寄が盛り上がってくれれば」と笑顔で語る。
なお、ミッキーさんによる絵画作品の数々は、「ミッキー・カーチス アート展 Mickey Curtis Art Exhibition」で見ることができる。(間所)

ミッキー・カーチス アート展の二次元コード