「過去を恨むより未来変える愛を」下川中3年の 三浦かんなさんが全国へ「少年の主張」全道最優秀賞、道・東北大会も突破

【下川】

下川中学校3年の三浦かんなさん(14)が、本年度「少年の主張」で全道大会最優秀賞に輝き、北海道・東北大会も突破。11月12日に東京都内で開催の全国大会に進出を決めた。「歴史ある名誉な大会に、代表として出られるので、自分の主張を競い合ってきたみんなの分まで、たくさんの人に伝えられるように頑張りたい」と語る。下川で全道大会最優秀賞、全国大会進出はともに初の快挙となる。
「少年の主張」は、子どもたちに社会に向けての意見、未来への希望などの発表機会を設けることで、広い視野と柔軟な創造性などとともに、物事を論理的に考える力や、自らの主張を正しく理解してもらう力を身に付ける機会にすることが狙い。
三浦さんは「恨みを愛へ」をテーマに発表。
妹が保育所のバスに置き去りにされたことで家族の生活が一変し、事故を恨んだが、ライフジャケット着用を呼びかける人と出会い、事故を防ぐ活動に取り組むことで、未来を考えられるようになった―とつづり、「過去ではなく未来を見て、少しずつ自分のできることから始め、未来を変えていこう」というメッセージを込めた。
「前半の暗い過去のイメージが、後半に残っていかないよう、話を組み立てる順番を工夫した」と言う。
道内では中学校287校の生徒2万7197人が応募。三浦さんは校内代表で出場し、7月に旭川市内開催の上川振興局地区大会で発表して最優秀賞、9月に札幌市内開催の全道大会でも最優秀賞に選ばれた。
全国大会への出場は、都道府県の各代表者から、さらに12人に絞られる。北海道・東北大会では、ビデオ審査で各エリア代表の7人の中から、全国大会出場の2人を選定するが、三浦さんがその一人に選ばれた。
三浦さんは「地区大会では、緊張し過ぎて、無意識に笑ってしまったことにも気付かなかった。全道大会では地区大会で一度経験しているので、安心して発表できた。『全国までは無理かも』と思っていたので、出場が決まってびっくりしている」と振り返る。
全国大会の様子は、ホームページで生中継される。
桑内寿則下川中学校長は「素晴らしいこと。本人の絶え間ない努力、家族の支え、先生のバックアップもあったと思う。皆さんと喜びたい」とたたえる。
三浦さんは、少年の主張全道大会最優秀賞などの功績で、町教育委員会から文化奨励賞も授与されることが決まっているが「下川では近所の方とのつながりも強く、私のことが掲載された新聞記事を持ってきて、励ましてくれる。住んでいる町に認めてもらえる賞なので、応援してくださる地域の方々と一緒に喜べたらうれしい」と笑顔で話す。

全道大会最優秀賞の三浦かんなさんと表彰状、盾、コンサドーレの選手・監督12人の直筆サイン入りのボール