コロナ禍初年度・愛馬に乗って美桑が丘と三の橋を往来の3カ月

 コロナ禍初年度となった2020年も、筆者が下川町内で飼う北海道和種馬(ドサンコ)のハナを、4月26日から5月2日、5月18日から6月15日、6月30日から7月31日に、町内南町の美桑が丘で放牧した。
 市街地に近く、住民主体の森林づくりが進められる町有の美桑が丘で、地元団体「22世紀コミュニティ研究会」の活動として、毎年1、2カ月程度、ハナを放牧させてもらっており、2020年で5年目を迎えていた。
 馬に美桑が丘のササを食べさせ、敷地内で歩かせることで、森林整備につなげること、馬との触れ合いの場をつくることで、地域の方に美桑が丘へ足を運んでもらうきっかけにすること―が主な目的だ。
 近年は6月上旬から7月下旬まで、集中的に放牧していたが、今年は4月から放牧を始め、日ごろ放牧している町内三の橋の牧草地と、美桑が丘を何度も行き来させ、両方の草をバランス良く食べさせようと試みた。
 市街地付近を何度も往来することで、まちなかの方々にも、馬を身近に感じていただきたい―という思いもあった。
 放牧は、関係者と事前に打ち合わせを重ねて準備を進め、美桑が丘北側の用水路沿いにある広大なササ群生地で行った。隣接する町認定こども園の南側の窓や、地域間交流施設「森のなかヨックル」から見える場所でもあり、園児にも施設内から馬を眺めて楽しんでもらえたらと思った。
 2020年度は新型コロナウイルス感染症対策の影響で、町内でもあらゆるイベントが中止。美桑が丘で実施する小学校の森林環境教育も2学期に延期となり、放牧期間中に連携できた行事は限られた。
 一方で、日常の中ではこども園の園児や保護者をはじめ、地元の方々が美桑が丘までハナと触れ合いに来てくれた。
 期間中、ハナに乗って、町内市街地にも積極的に出掛けた。前年に続き、町内の高齢者福祉施設敷地内でも日帰り放牧。「3密」を防ぐ形で、入居者に馬との触れ合いを楽しんでいただいたが、感染症対策で自粛が強いられる中、一層意義のある活動になったようにも感じる。
 ハナを放牧した美桑が丘のササ群生地も、見違えるように開けた場所になったと思う。関係者の皆さんに感謝している。

<今回は名寄新聞の2020年8月10日付掲載記事を基に再構成しました>

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