2020年8月、愛馬ハナ(ドサンコ)と共に、下川町内の家庭菜園で和製犂(すき)を使った馬耕に初挑戦。経緯や目的を紹介した前回に続き、今回は実際に行った馬耕の様子を語りたい。
馬耕は、手綱と和製犂の操作を同時に行う超難易度作業。それぞれの操作で訓練を要し、両方の技術を上げることが重要だが、今回は馬を引く人に加わっていただき、難易度を下げて馬耕を体験させてもらった。
ハナの引く犂で土耕を開始したが、馬の進む速度と合わせながら、草や石、土の状況に応じて、犂の角度や深さを調整し、真っすぐやり残しがないように進む必要があり、想像以上に技術を要する。
さらに、今回は限られた範囲の土耕だったため直線距離がとても短く、コツがつかめそうと思った瞬間、端に着いてしまい、モヤモヤの状態で方向転換という繰り返し。慣れるまでの時間を与えてくれなかった。
それでも道具の使い方やイメージをつかめ、今後の技術向上への足掛かりになったと感じる。
一方、ハナはわずかな時間ですべきことを理解し、初めて経験した重労働を一生懸命に頑張ってくれた。
道具は蛭川さんの用意してくださったものを使用したため、そろえていく必要がある。それらを準備するとともに、筆者の技術向上や、ハナの体力づくりのための各トレーニングを重ね、実現へ結び付けたい。
補助金に頼らないという観点から、費用は全て自己負担だが、町内で共に馬文化の再創造を目指す友人から寄付もいただいた。見学に来てくださった方々にも支えられた。
焦らずじっくり少しずつ、だけど確実に前進して、次世代へ馬のある暮らしを残したい。

(右は講師の蛭川徹さん、左は中標津町の瀬波秀人さん)

<今回は名寄新聞の2020年8月22日付掲載記事を基に再構成しました>
道北の暮らしをつなぐ馬の過去記事はコチラから