道内の神社を包括する北海道神社庁の神社総代会では4日、稚内総合文化センターで第63回北海道神社関係者大会を開催。全道の神社から神職ら関係者が集まり親交を深めた。
毎年、道内各地持ち回りで開かれる大会。宗谷管内では約20年ぶりの開催で、北海道神社庁の15支部の神社約100か所から神職や総代、氏子など約400人が参加した。
冒頭、同庁宗谷支部長で北門神社の山本泰照宮司が「ロシアに一番近い国境のまち。この地で体感し、様々な思いをめぐらせて頂ければ」と歓迎の挨拶。神社本庁から、鷹司尚武統理や伊勢神宮の久邇朝尊大宮司も参加。鷹司統理は「過疎化や少子高齢化などが深刻化し、10年、20年後も神社の信仰を保持していけるか否かは現代の我々の取り組みにかかっている」と。久邇大宮司も「各地方の伝統文化があらためて重要視され、神社が心の拠り所として再認識されている。活力ある地域づくりのため、集まって連携を図り、密にすることは意義深いこと」と述べた。
来賓の工藤広市長は「北門神社は市民の心の拠り所で、最北の神社として隠れた観光名所として多くの人が訪れている。稚内は風力発電で脱炭素社会の実現に貢献する地域。今後も先祖から受け継いだ教訓を糧に持続可能なまちづくりに取り組む」と祝辞した。
大会宣言の「神宮奉賛の意義を再確認し家庭祭司の振興に努める」、「次期遷宮の気運を高め、神宮大麻、氏神神社神札の頒布を推進」、「祭司の伝習を通し神社の保持運営に努め、全道の神社の隆盛に寄与する」を採択し、次期開催地の旭川市を紹介し閉会した。
このあと、清興(稚内の特産品の福引)でホタテなどを景品としたほか、皇族出身の政治評論家・竹田恒泰氏が「日本人はなぜ日本のことを知らないのか」と題し記念講演した。
(金子栄次)