名寄東小コミセン文化祭 「歌うお坊さん」加藤煕章さん招き講演や歌など楽しむ

【名寄】

名寄東小学校コミュニティセンターの第33回文化祭が、19日午前10時から同校で開かれ、4年ぶりに多彩なプログラムで地域交流を深めた。
東小コミセン運営委員会(渡辺洋運営委員長)、同校(民輪伸幸校長)、同校PTA(五十嵐保会長)の主催。地域に根差して活躍している文化人の作品や講演、文化活動に触れながら、明るく文化的なまちづくりを目指すことを目的とした恒例イベント。「命響き合う地域の絆」をテーマに掲げる。
会場の体育館には100人を超える地域住民が来場。渡辺委員長が「例年は午前、午後と開催してきたが、集団での飲食を控えながら、午前中のみのプログラムで企画した。今日1日を楽しんでもらいたい」と挨拶。
民輪校長が「本校児童との合同学習や給食、ラベンダーの植栽など、コミカレ生の皆さんには、教育活動に協力いただいている。今後も連携を深め、地域とともにある学校づくりを進めていきたい」と感謝。来賓代表の橋本正道副市長が祝辞を寄せた。第17回ラベンダーフォトコンテストの表彰式が行われた。
続いて、浜頓別町にある永生寺副住職で、「歌うお坊さん」でも知られる加藤煕章さんが「追わない事」をテーマに講演。
加藤さんは、福井県の山奥にある修行道場「永平寺」で修業後、東京で音楽活動を開始。その後、浜頓別町に戻り、仏道を歩む傍ら、2021年には日本テレビ「歌唱王」で、全国1万8千組の中で勝ち上がり準優勝するなど、現在は僧侶件シンガーソングライターとして活躍。
加藤さんは「横着」という熟語を挙げ、「故意に怠ける、手抜きをするといった意味だが、これは仏教用語の一つで、自分勝手な状態に、心が捕らわれてしまっている状態をいう。このような状態から抜け出すには『追わない事』が大切」と説明。
われわれは欲望に振り回されながら生きており、いろいろなものを追いかけ自分を見失ったとき、他人を頼ってばかりでは、自分の魂は弱いものとなっていってしまうとし、「いわば、健康を維持するためにサプリメントばかりに頼るのではなく、日々の修行や運動が大切ということ。自分の存在を自覚し、自らの足で人生という階段を上らねばならない」と説いた。
また、自己と向き合いつつ、物事を追いかけない練習法として「座禅」を挙げ、「穏やかな心を持つための基本にして頂点の教え。さまざまなものから解き放たれるための練習である」と強調。来場者とともに、椅子に座った状態でできる座禅を行った。
続いて、加藤さんによる弾き語り。「メロディー」や「ファイト」のカバー曲をはじめ、オリジナル曲「命晴れ」「一人」「アスター」などを披露。迫力ある美しい歌声が来場者を魅了した。
この他、コミセン玄関付近からわくわくスペースの間には、書道といった「みずなら講座」作品、パッチワークなどコミカレ生の作品、児童による作品、ラベンダーフォトコンテスト作品などが展示され、来校者は足を止めて観賞する様子が見られた。
ラベンダーフォトコンテストの入賞者は次の通り(敬称略)。
▽最優秀賞=小坂進「ラベンダー祭り」▽優秀賞=小林昌史「蜂から見た東小」、関野博之「花が見守る通学路」▽入選=小坂進「ラベンダーには青空が似合う」、穂積孝志「花が見守る通学路」、穂積孝志「お花のお出迎え」