今年(1970年)の夏は全道各地で異常なクマの被害が発生しているが、名寄市内でも今月に入り乳牛3頭の犠牲が出ており、酪農家に大きなショックを与えた。被害に遭った中名寄朝日9線の農家では「これ以上クマに牛がやられては多頭飼育ができないばかりか、通学の子どもたちも心配だ」と深刻な表情で関係機関の対策を訴えている。

(記者からの一言)
クマによる農業被害、人的被害は開拓期から今も続いている。
道内では近年、クマによる被害が多発している。山間部だけではなく、市街地にまでクマが出没しており、農作物が食い荒らされたり、乳牛や人も襲われている。
乳牛の被害は、釧路管内標茶町など道東地方で相次いでおり、特に「OSO18(オソじゅうはち)」と呼ばれるヒグマが多くの乳牛を襲っている。標茶町下オソツベツに出没した前足幅18cmのヒグマであることから、このコードネームが付いた。
「OSO18」は7月30日に釧路管内釧路町で駆除されたが、ヒグマの出没が多いことには変わりなく、酪農家の不安は募るばかりである。