【名寄】
重さ20㎏のリュックを背負い、徒歩で、ときどきヒッチハイクをしながら、北海道一周を目指している「冒険家になりたい大学生」、めるかさん(21)が、23日に本社を訪れ、旅の目的や今後の目標などを語ってくれた。
めるかさんは東京都の出身。現在、日本体育大学の4年生。大学1年のころ、フライングディスクを使って行うアルティメット競技を行っていた。大学時代のうちに、自分の将来のためにもいろいろな経験値を積みたい―と一念発起。色んな人に勇気や笑顔を与えられる人になりたい―と、2年のころから冒険家を目指し、一人旅を始めたという。
「大学でスキューバダイビング資格を取得し、せっかくなので美しい沖縄の海でダイビングを楽しみたいと思った」と、沖縄へ初めての一人旅。そこで、多くの人との出会いを体験し、人の温かみを感じたという。
その後、「大島一周徒歩の旅」「江戸川60㌔を歩く」「ソロキャンプする大学生」など、冒険家になるためのさまざまなチャレンジを展開し、SNSで挑戦の様子を配信。「いろいろな挑戦を配信し、多くの人に笑顔と挑戦する勇気を届けたい」と語る。
また、めるかさんの挑戦に賛同し、活動を後押ししようと、ゼンキ工業株式会社(本社・千葉県)がスポンサーに。「旅を続けられているのも、スポンサーさんの支援のおかげ」と感謝する。
今回の北海道一周への挑戦は、北海道にはどういった人がいるのか、自分の目で確かめに行こうと思った。また、どこかを一周すると考えたときに、よりインパクトのある北海道に挑戦しようと思った」と話す。
北海道一周は、新千歳空港を起点に、国道を北上して稚内へ。
その後、オホーツク海側、日本海側を南下。釧路、帯広を経て、再び新千歳空港へ戻るという1000㎞を超える道のり。大学の夏休みが終わるまで、最大1カ月間をリミットとした挑戦。
しかし、徒歩だけで北海道一周は時間的にも難しく、ヒッチハイクも行って進むことに。「ヒッチハイクをした際、その土地に住む人から、いろいろな北海道の話を聞いてみたいと思う」という。
士別から名寄に到着した23日は、旅を始めて4日目。「旭川の温泉で出会った女性。3年前に祖母を亡くしていて、久しぶりに自分のおばあちゃんのような方と、いろいろな話ができてうれしかった」と話す。
北海道の印象で「もっと涼しいと思っていたが、東京と変わらない暑さにびっくり」。
また、「北海道の方は、沖縄の方とはまた違った優しさで、徐々に親しくなっていく感じ。まるで、『千と千尋の神隠し』の千尋を見守る釜爺(かまじい)のような優しさ。北海道の冬は寒いけれど、皆さんの心は温かい。道を歩いているのを見かけたとき、気軽に声を掛けてもらえるとうれしい」と笑顔で語っている。

