悩み相談や親子の触れ合いなど展開 名寄に「子育てサロン・マナ」が開設、多職種スタッフがタッグ組み支援

【名寄】

ボランティアサークル「子育てサロン・マナ」が、21日にカトリック名寄教会(今田玄五神父)の2階に開設した。サロン開設の中心となった市内在住の助産師・吉田征子さん、久保伊都子さんによると、0歳から3歳までの乳幼児と保護者を対象に、利用日時は毎週月曜日の午前10時から同11時半まで。道北では初の事前申し込み不要で無料の子育てサロン。各種専門職チームが、子育ての悩み相談や親子での触れ合いなどを支援していく。
子育てサロンは、厚生労働省の提案する地域子育て支援拠点事業の一つ。全国的に見ると、子どもと一緒に遊んだり、情報交換を行ったり、育児相談などを展開。予約などは不要で自由に利用でき、親の子育てをサポートすることを目的としたもの。
吉田さん、久保さんによると、名寄地域は転勤族が多く、周りに誰も頼れる人がいなく、一人で悩みを抱えたまま子どもと向き合っている現状がある。また、子育てについて学ぶ機会が少ないことも実情。
子育てに関する学習の場、子育て中の不安軽減へ相談できる場、経済的負担がなく気軽に出掛けられる場の必要性を考慮し、今回の子育てサロン開設に至った。
サロン会場(約12畳)は、同名寄協会により無償で提供。毎週月曜日にスタッフが持ち回りで運営する。サロンでは、母乳育児相談やベビーマッサージ、絵本の読み聞かせ、乳幼児モンテッソーリ教育(五感を刺激した感覚教育)、幼児の性の話など、さまざまな企画を日替わりで30分程度。後半は、お茶を飲みながらのんびり過ごしたり、名寄カトリック幼稚園の園庭で遊んだりと、和気あいあいとした時間を過ごす。
吉田さんは、子育て・親育ての会代表を務める傍ら、夜間お母さん教室や、幼児、児童、生徒、保護者を対象とした子どもの性に関する授業など、子育て支援を精力的に展開。久保さんは、モンテッソーリ教師資格を有し、東京で母乳育児相談に携わってきた。この他、医療従事者、幼稚園教諭、保育士、塾講師、絵本読み聞かせなど、多職種のベテランスタッフ6人がサロンを運営している。
サロンの名称「マナ」は、心も体も豊かになってほしいという願いを込め、旧約聖書「出エジプト記」に登場する食べ物にちなんで名付けたという。
吉田さんは「子育てについて、周りに相談できず苦しんでいる方もいる。サロンを訪れ、互いに話をするだけでも心が軽くなると思う。関係機関との連携を図るとともに、学び合いながら親になっていくことを支援していければ。まずは気軽にサロンを利用してもらいたい」と話している。
また、ボランティアによるサロン運営のため、寄付金の協力も呼び掛けている。
子育てサロンでの活動内容などは、SNS(インスタグラム)で情報発信している。問い合わせは、吉田さん(090‐6692―2479)まで。