木原秀雄さんの生涯描く太陽観測の功績伝える 金環日食、天文台開設など名寄市教育委員会 本年度中に漫画制作、完成へ

【名寄】

漫画の主人公で、自作の望遠鏡で太陽観測に当たる木原秀雄さん

名寄市教育委員会では、礼文島での金環日食観測や木原天文台の開設など、地元の天文学普及に尽力した故・木原秀雄さんの生涯を描いた漫画を制作する。完成は本年度中を予定しており、なよろ市立天文台「きたすばる」の村上恭彦台長は「太陽観測に力を注いだ木原先生の功績を伝えていきたい」と語る。
木原さんは1911年(明治44年)12月17日、東京・銀座の生まれ。33年3月、旭川師範学校(現・北海道教育大学旭川校)本科二部を卒業後、比布町蘭留小学校で教員生活をスタート。40年4月、名寄尋常高等小学校(現・名寄小学校)へ赴任。42年7月から旧制名寄中学校(現・名寄高校)で数学教諭として勤務した。
43年2月8日に名寄で皆既日食、48年5月9日に礼文島で金環日食の観測に成功。私費を投じて73年12月10日、木原天文台を開設し、92年9月に名寄市へ天文台を寄贈、名寄市立木原天文台となった。93年4月22日、83歳で逝去した。
地学教科での天文教材の指導と実践、日食計算への応用、ロケット軌道計算への応用、惑星と衛星の軌道計算で研究成果を残した。
地元で天文学普及に尽力した功績を広く知ってもらうため、生涯を描いた漫画を制作することになった。
2020年に現在のなよろ市立天文台の開館10周年事業で制作した冊子「市井の研究者 木原秀雄 受け継がれる天文探究の道」がストーリーのベースとなっており、作画は中川町在住の漫画家、イラストレーターの八ツ目青児(本名・三井遥佳)さんが手掛けている。
また、B&G財団の「ふるさとゆかりの偉人マンガの制作と活用事業」の全額助成(上限300万円)を受けている。
今年5月25日に制作委員会を立ち上げ、同天文台運営委員をはじめ、木原さん三女の高谷恵美子さん、木原さんに師事した前天文台長の佐野康男さん、名寄市立大学社会保育学科教授で絵本作家の堀川真さん、三井さんら10人が委員を務める。
その後、6月末に委員たちが高谷さん宅を訪れ、木原さんの生涯や功績について取材した。このほど、原画の冒頭数ページが出来上がり、木原さんの幼少期が描かれており、委員たちも目にしている。
主として名寄での皆既日食、礼文島での金環日食観測、木原天文台の開設などを描くことにしており、B6判で100ページほどになることを見込んでいる。本年度内の完成を予定している。
漫画は市内小中学校に提供する他、なよろ市立天文台や市立名寄図書館などで見られるようにする。
村上台長は「木原先生の功績を広く伝えたい。太陽観測や日食計算に力を注いできた。2030年6月1日には道内で金環日食が見られるため、そういった点にもつながっていくような漫画としていきたい」などと語っている。