稚内出身初のBリーガー・大本歩夢選手 プロバスケットボール・新潟アルビレックスBBで特別指定選手に 身体能力などが高く評価

稚内出身初のBリーガー大本歩夢選手 

稚内出身で、アップルスポーツカレッジに在籍する練習生の大本歩夢さん(21)が、プロバスケットボール・Bリーグの新潟アルビレックスBB(B2・東地区)の特別指定選手として登録されることが決まり、稚内出身者として初の〝Bリーガー〟が誕生した。大本選手は「スタメンに選ばれ、試合に出場することが出来るように頑張りたい」と闘志を燃やす。10月7日に新潟県長岡市で行われる開幕戦で、大本選手のプロデビューに期待がかかる。
 身長178㌢、体重74㌔で、ポジションはシューティングガード(SG)。稚内大谷高校から札幌学院大学に進学。大学2年でインカレ出場にあと1歩届かず、3年のシーズンこそは―と気運も高まったが、指導体制の変化などの影響で選手が部を離れる事態に。チームの活動も困難になり、大本選手はスポーツに特化した専門学校のアップルスポーツカレッジ(新潟市)に進むことを決意。昨年から在籍し、カレッジではアルビレックスU23としてプロになるため惜しまず努力。今年8月から練習生としてチームのトレーニングに参加。ケイシー・オーウェンズヘッドコーチの要望で特別指定選手としての登録に至った。
 大本選手は父・靖さん、母・純子さん、弟・青空さんの4人家族。靖さんは長年にわたり市内のクラブチームに所属し、その影響で大本選手もバスケに親しむように。小学4年でアルピナミニバス入団。東小から東中に進みバスケ部に所属。靖さんによると、中学2年の新人戦全道大会で強豪に大敗を喫し、チームメイトが落胆する状況下でも「楽しい」と。自身で伸びしろや可能性を感じ、稚内大谷高校では飛躍的にプレーの幅が広がり、身体能力の高さを活かし、1試合で40得点以上を叩き出すことも。チームとして全道大会で結果を残すことは出来なかったが、大本選手は周囲から「逸材」と称されるほどに。
  「中学や高校時代にどこまで勝ち進んだかを見られた。全道は1回戦負け、全国にも行っていない。それでも歩夢自身がプレーを信じ続け、周りがようやく評価してくれた」と靖さん。過去の実績ではなく、プレーや姿勢を見てくれた―と胸をなでおろす。
  今回の特別指定選手としては年内の契約。12月には更新が期待され、フルシーズンの契約が勝ち取れるかが大きなカギを握る。
 稚内から初のBリーガー誕生に地元も歓喜に沸く。ミニバス時代に指導した阿部陽太郎さんは「当時、ミニバスの大会で地区予選を初めて勝ち上がり、全道で1勝したことは今でも鮮明に覚えている。Bリーグの選手になれたことは本人の努力。バスケを始めた時に携わった1人として誇りに思う」。稚内バスケットボール協会の西角尚人理事長は「稚内初のBリーガーの誕生は感極まる思い。非常に身体能力が高く、その能力に驕ることなく誠実・謙虚に取り組んだ結果、プロ選手になれたのだと感じている。素晴らしい人格を持っているのでファンに愛される選手になると確信している。憧れていたプロの世界を存分に楽しんでほしい」とエールを送った。
(梅津眞二)