稚内漁協コンブ入札会 コロナ禍を乗り越え 1等は11万円超 需要回復に大きな期待

価格が戻った稚内産コンブ

稚内漁協の今年度1回目のコンブ入札会はこのほど、道漁連の札元で開いた。同漁協によると、今シーズンは約1700駄・個を上場し、金額では昨年の1回目が1等の1駄あたりの平均単価が10万円を割ったが、今回は稚内産、声問産ともに11万円を超す高値をつけた。昨年までは新型コロナウイルス感染拡大に伴う水産物の需要減などの影響で厳しい状況が続いたが、今年は回復の兆しが見え、軒並みコロナ禍だった頃の価格を上回っている。
今夏のコンブ漁は7月8日の解禁日に初水揚げ。例年7月上旬から中旬まで実施していた旗有りの一斉操業は行わず、解禁と同時に自由採取にした。7、8月は好天や雨天の差が日によって激しく、天候に左右されながらも漁業者の努力で製品確保に繋げた。
2020年から続いた全国的な新型コロナ感染拡大で水産物などの消費低迷が大きく響き、コンブの価格にも生じ、漁業者などにとっても我慢が続いた。今年5月のゴールデンウイーク明けに新型コロナが2類相当から5類に移行し、全国的に人の流れも活発に。インバウンドを含む観光業界に明るい兆しが見え、飲食による水産物の消費も徐々に拡大。
今後は9月下旬に2回目のコンブ検査を行う予定。その後、入札会を開く。等検ごとの1駄あたりの平均単価は次の通り。
【稚内産】▽1等11万4135円▽2等6万4035円▽3等①4万7250円▽3等②4万3695円▽4等4万200円▽加工用①3万404円▽加工用②2万4135円。
【声問産】▽1等11万1135円▽2等6万4035円▽3等①4万6800円▽3等②4万3695円▽4等3万9150円▽加工用①3万285円▽加工用②2万4135円。
(梅津眞二)