【美深】
美深高校軽音楽部の1年生バンド「Lily(リリィ)」は、2023年度の北海道高等学校軽音楽連盟道北地区軽音楽新人大会で最優秀賞を受賞し、12月の全道大会への出場が決まった。メンバーは高校入学後からバンド演奏を始め、6カ月ほどで全道出場の快挙となり「それぞれのミスをなくし、見ている方を飽きさせない演奏をしたい」と意気込む。
「Lily」のメンバーは、諏訪未由羽さん(ベース・ボーカル)、佐藤杏梨さん(ギター)、清水千聖さん(ドラム)、髙橋美優さん(キーボード・コーラス)。バンド名の由来は、発音した際に口角が上がって笑顔に見えるため。
諏訪さんは名寄中、佐藤さんと清水さんは風連中、髙橋さんは中川中卒業。髙橋さんは中学で吹奏楽部に所属していたが、諏訪さん、佐藤さん、清水さんは高校入学後から楽器を始め、7月9日の美高祭、7月29日の野外ライブ「凹地野音FES」で披露した。
バンド演奏を始めたきっかけで、諏訪さんは「楽器をやろうと思っていたが、なかなかできず、高校は軽音楽部のある所で始めてみようと思った」。佐藤さんは「もともと入ろうと思っていて、軽音楽部があるので美深高校に入学した」。清水さんは「名寄のイオンで3年生がバンド演奏するので、佐藤さんに誘われて見に行き、自分もやってみようと思った」と振り返る。
新人大会は、9月下旬に映像審査で実施。4校から5バンドがコピー部門で参加し、美深高校の「Lily」が最優秀賞を受賞。12月16、17日に経専音楽放送芸術専門学校(札幌市豊平区)で開かれる全道大会の出場権を獲得した。同校の1年生バンドが全道出場するのは2017年の「襷掛(たすきがけ)」以来6年ぶり。
映像審査では、テレビアニメ「けいおん!」のエンディングテーマ「Don’t say “lazy”」を演奏。テンションを盛り上げ、メンバーも聴衆も楽しめる楽曲を選んだ。
諏訪さんは、審査1週間前にボーカルに抜てきされ「本当に突然で、あまり練習ができず、コツも分からなかった。ベースを弾きながら歌うのは大変だった」と話す。
現状の演奏には満足していない様子で、諏訪さんは「まだまだと思っている。粗が出ており、本当に良いものなのか」。佐藤さんは「細かいところでミスした。パフォーマンスは入っていたので良かったと思う」。清水さんは「演奏中は楽しかったが、何回も聞いているうちにダメだと思った」と明かす。
バンド演奏歴6カ月ほどで全道大会出場の快挙となり、諏訪さんは「全体的にそれぞれのミスをなくしたい。パフォーマンスを細かく付け、見ている方を飽きさせないようにしたい」。佐藤さんは「まずはミスをなくすこと。動きをもっと激しくしたい」。清水さんは「ドラムは第2のメトロノームなので、全体の楽器演奏を一定のテンポにしたい。自分なりのアレンジも入れたい」と語る。
全道大会では「全道に行けるとは思っていなかったので不安はあるが、一つでも賞が取れれば。大会の雰囲気や厳しさ、パフォーマンス、演奏を学びに行く姿勢で頑張っていきたい」と意気込む。
顧問の木村怜史教諭は「バンドを始めて6カ月、本人たちの努力や偉大な3年生への憧れが全道大会につながった。全道大会はレベルが高いことが予想され、レベルの高さを感じながら今後の大会につなげてほしい」と期待を寄せる。
