<過去のニュースを振り返る> 名寄~遠別間 開発道路 開通へ踏み出す 喜びの起工式挙行

道北地域の産業開発を担う開発道路、道道名寄遠別線の起工式が1970年(昭和45年)10月29日、幌加内町の国鉄深名線北母子里駅付近の現地で行われ、クワ入れと玉串をささげ、工事の安全を祈った。

(記者からの一言)
道道688号名寄遠別線は、名寄市砺波の国道40号交点から幌加内町母子里の国道275号交点を経て、遠別町本町6丁目の国道232号交点に至る延長89.7km。
1970年(昭和45年)8月に北海道による一般道道の認定を受けた。同年10月に幌加内町母子里~同町蕗の台間が北海道開発局による開発道路として指定され、母子里から着工。74年(昭和49年)8月に名寄市瑞穂~遠別町正修間の未開通全区間が開発道路となり、名寄側、遠別側からも着工した。
91年(平成3年)10月に名寄市瑞穂~幌加内町母子里間の名母トンネル(1842m)を含む延長6.4kmが開通した。
幌加内町母子里~遠別町正修間については、82年(昭和57年)から99年(平成11年)にかけて幌加内町母子里~同町蕗の台間、93年(平成5年)から2005年(平成17年)にかけて遠別町正修で徐々に開通した。
工事区間が開通すると、開発道路としての指定が解除され、北海道に移管するが、06年(平成18年)に「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律」により、開発道路事業の計画、実施権限の委譲が決定し、10年(平成22年)4月に開発道路指定が廃止され、北海道へ事業が移管された。10年当時の開発道路指定区間は未開通の幌加内町・遠別町境界付近~遠別町正修間の延長7.8kmだった。
未開通区間のうち、これまでに延長4.9kmの整備が完了し、残る2.9kmで工事が進められており、21年(令和3年)から難関の宇遠別トンネル(758m)を含む延長1177mで着工し、22年(令和4年)11月に同トンネルが貫通した。
全線開通予定は1974年当時で83年とされたが、難工事が続き、82年当時で95年とずれ込んだ。北海道に事業移管された2010年当時は15年(平成27年)とされていたが、天塩山地を越える険しい地形で、地滑りや土石流対策に時間を要し、工事が難航しているため、現在は25年(令和7年)の全線開通予定としている。