馬でコンビニに買い物で8800いいね!

筆者は、愛馬ハナ(北海道和種馬・通称ドサンコ)に乗って、昨年から時々買い物に出掛けている。これはコロナ禍の2020年の話である。5月17日、ハナに乗って下川町市街地まで来た際、自宅のティッシュペーパーを切らしていたので、ハナに乗って町内のコンビニエンスストアへ買いに行った。コンビニでハナをどこにつなぐか迷い、離れた場所にある柱につなごうかと思ったが、ちょうど外で見ていてくれる方がいらしたので、駐車場の近くの杭に軽くリードをつなぎ、買い物を済ませた。その間、ハナは一歩も動かず待っていてくれた。乗馬でコンビニに行くのは初めてだったので、ハナを止めている様子を携帯電話のカメラで撮影。その日のツイッター(個人用アカウント)に載せたところ、予想外の反響があった。

他者に再投稿される「リツイート」が数日間で2500件以上と瞬く間に拡散され、支持・共感を表す「いいね」は8800件以上になった。コメントも200件近く寄せてくださっており、それを基に反響の要因を分析すると、北海道の魅力の一つでもある「ドサンコ」と北海道密着型コンビニ、希少となった「電話ボックス」が1枚の写真で映っていることが考えられる。
コメントでは「こんな光景が日常でありたい」「馬に乗って買い物へ行きたいと、ずっと思い続けている」「車でなく馬に乗りたい」「将来、馬がほしい」と共感の声が多く、そういった方々の思いも、拡散を後押ししたと感じる。
この写真から、馬と共存できる地域(下川町)の温かさ・寛容性を読み取り、興味を抱いた方々も多い。筆者もそこが「下川町」の大きな魅力と感じている。
「馬主・下川町・コンビニ・ハナちゃん、みんなステキ」「この馬は優秀。飼い主と愛馬の意志疎通ができて素晴らしい」「自然や動物と一体になった暮らしが、人にとっても一番幸せなのかもしれない」というコメントもいただいた。
他に「相馬野馬追の時に見かける風景。鎧兜の武者姿で買い物する」「埼玉の蔵元に馬を止める設備がある」という情報も寄せられた。
「糞(ふん)をしたらどうしているの」など質問もある。筆者の場合、ちり取りを入れた袋を鞍(くら)に下げており、糞をちり取りで袋に入れて回収し、鞍にぶら下げて持ち帰っている。糞は固形で回収も簡単。ハナは外出中、糞を我慢しているので、一度もしないことも多い。
その翌日も乗馬で町内の肉店や商店で買い物した。数日後に地元飲食店でもテイクアウト料理を購入。ハナを見ながら買い物ができるよう、外で受け渡しや会計をしてくれた。地元商店は優しさであふれている。
地道な調教と管理の下、安全を確保しながら、馬のある日常を根付かせていきたい。

ツイッターで反響のあった、乗馬で買い物した写真
乗馬で下川町内のそば処「やまと屋」へ

<今回は名寄新聞の2020年6月1日付掲載記事を基に再構成しました>

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