馬に2人乗りで森林浴楽しむ

妻と2人乗りで乗馬を楽しむことがある。2人を乗せているのは、筆者が下川町内で飼う、北海道和種馬(俗称・ドサンコ)のハナである。3年前から楽しみ始め、当初は週1回ぐらい楽しんでいたときもある。今回はその当初のお話。
 2人乗りには、通常の鞍(くら)の後部に、専用の鞍を接続して行う。専用の鞍はチャイルドシートのような、小柄な女性や子ども向けサイズになっている。
 ドサンコは、体高125から135cm、体重350から400kgで、和種の中では比較的大きい。北海道の厳しい寒さで鍛えられた丈夫な体質、原野を走り回る強靭な体力を兼ね備え、200kgの荷物を運ぶことができる。昔は旅人や物資を運び、現在の乗用車や軽トラックの役目を果たしてきた。
 「ハナは小柄なのに、2人も乗せられるの?」と思うかもしれないが、筆者と妻の体重は合わせても100kg。ドサンコはその2倍の荷物を載せて移動できる。ただ、2人のバランスが完全にとれていればいいが、そうでない場合には負荷が増えるだろうから、2人乗りで200kg乗っていいわけではない、100kgがほどよいところだろうか。過剰の負担がないよう、気配りしながら楽しむのがよいと思う。そして、ハナがドサンコだからこそ、2人乗りができるのである。
 2人乗り初挑戦は、2020年6月27日。広い牧草地で楽しんだ。筆者が前に座って馬を操り、妻が後部席に乗る。基本的にはのんびり歩き、時々軽くはやあし。
 7月からは週1回、下川町内南町の美桑が丘で2人乗り乗馬をしている。
 早朝の森林を妻と2人でハナに乗ってのんびり歩き、木漏れ日を浴び、澄んだ空気を味わいながら、心地よいひとときを過ごしている。
 この楽しさを共有したくなり、美桑が丘関係者と、2人乗り体験会もやってみた。男性2人乗りでも問題なし。ただ大柄な男性の場合、重量的に可能かもしれないが、後部の鞍では体が納まり切らないので、前の鞍に乗ってもらうのが良さそう。ドサンコのたくましさを感じるが、大柄な男性は念のため一人で乗っていただくのがよさそうだ。基本的には小柄な人同士での2人乗り、あるいは大人と幼い子どもの2人乗りがよいと筆者も思う。
 妻によると2人乗り鞍は快適で、骨盤もほぐされて気持ち良いそう。リズム感ある揺れで眠くなると言う。馬との触れ合いの新アイテム。馬と人の安全確保を徹底しながら、有効活用していきたい。

<今回は名寄新聞の2020年7月27日付掲載記事を基に再構成しました>

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