これはまちなかでの乗馬移動が日常化し始めたころ、2020年春のお話。
公道移動の場合、馬は自転車と同じ軽車両。車道の左側を走るのが基本となる。筆者はこのルールに基づき、日ごろから乗馬で移動しているが、まちなかを走行することが増えたことで、判断に迷う場面にも遭遇した。気になって調べた結果、自転車の相違点や未熟な点にも気付かされた。
自身がルール厳守を心掛けることはもちろんだが、将来、乗馬で移動する方が増えることも予想されるので、学びを共有したい。自転車に乗る方も年々、増えているので、軽車両利用者同士、そのルールを根付かせていけたら―と思う。
以前こんな場面があった。乗馬で車道左側を走行していて、目的地は横断歩道を渡った右側の歩道の先にある。車道は赤信号だったが、横断歩道が青信号だったのでとっさに横断してしまった。
「車両だから、横断したらだめだったのではないか」と思う一方、自転車は降りて押しながら歩くことで通行できるので「降りて馬を引けば横断できるのだろうか」など疑問が生まれた。
警察署にお聞きしたところ、馬は降りて引いても馬自体が軽車両で横断歩道を渡ることができず、歩道もその先の敷地へ入る横断以外、引馬でも歩くことはできないようだ。降りても軽車両という点が自転車と違う。
では、右折の場合どうするのか。自転車も馬も軽車両は「二段階右折」が基本となる。左側に寄って交差点の向こう側まで真っすぐに進んで右側へ向きを変えてから、その信号機に従って進む。横断歩道を渡ったことを反省している。
二段階右折の場合、左折車両が左端に寄ることが一般的なため、左折車両の後方に並んで、前方車の左折後、直進すれば良いようだ。
今回、筆者が遭遇した場面で、横断歩道向こう側の目的地に行くためには、二段階右折を3回繰り返し、遠回りでいくことになる。最初から左側走行で入れるよう、回り道で来たほうが簡単だった。
引馬でも歩道を歩くのを控え、数分の一時駐車時も、歩道内停止は避けたほうが良いと悟った。
馬も自転車も自動車も、交通ルールを意識したルートでの走行、駐車が大切と改めて感じる。
<今回は名寄新聞の2020年6月22日付掲載記事を基に再構成しました>
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