中澤さんがクロユリの開花確認 群生徐々に拡大 宗谷岬で例年より見頃早く
クロユリの群生地として知られる宗谷岬平和公園内にある祈りの塔周辺の牧草地。今年も花を咲かせ、いま見頃を迎えている。稚内市民観光ボランティアガイド前会長の中澤和一さんが現地で開花を確認。「ここ数年に比べると、群生の規模が拡大した印象。市民や観光客に観賞を楽しんで頂きたい」と話す。
クロユリは、中澤さんが2015年にガイドの勉強として宗谷岬周辺を散策していた際に発見。現在は観光客や市民などが足を運ぶなどし、観光スポットとして定着。
中澤さんは25日午前5時すぎに宗谷岬を訪れ、クロユリが開花していたのを確認。例年であれば6月上旬に見頃を迎えるため、今年は若干早いという。特に牧場内の牧柵の周辺で美しく咲いている。
クロユリは細長く先が尖った葉と黒っぽい紫色の花びらが特徴。見頃は2週間ほどと見ている。群生地の近くに案内看板を設置。群生地の場所は宗谷岬牧場の私有地だが、許可をもらっており、立ち入ることが出来る。
中澤さんによると、地元漁業者の知人から聞いた話で、かつて宗谷岬の高台にあった大岬中学校のグラウンドの土手にクロユリが咲いていた。それを基に中澤さんは「閉校後、グラウンドが掘り起こされ、クロユリの球根が植生され増えていったのでは」と持論。
また、過去に九州から宗谷岬に訪れた観光客のグループのうち、草花に関心を持つ人で偶然に中澤さんがクロユリの群生地を案内。本州などでは、標高2000㍍級の山で見かけることがある程度。その観光客は「平地でこんなに希少な花が見ることが出来るとは」と驚いていたという。中澤さんは稚内が誇る花になってほしい―と期待を寄せる。
(梅津眞二)
Web掲載日2023年5月29日
道北の求人情報
名寄新聞を購読希望の方は