介護人材不足の解消へ、名寄市社会福祉事業団 ネパール人女性3人に辞令交付
【名寄】
名寄市社会福祉事業団(理事長・橋本正道副市長)の辞令交付式が、18日午前9時半から市役所名寄庁舎で行われた。介護従事者として採用したネパール人女性のイムソン・アラチさん(32)、モクタン・ウルミラさん(31)、シェルパ・ラクパさん(38)の3人に辞令が手渡された。3人は19日から市特別養護老人ホーム清峰園に勤務、入所者の介護業務に携わる。
高齢化社会が進む中、介護サービスの需要増加に伴う介護従事者の確保は全国的な課題となっている。
名寄市も同様の状況で、同ホームの清峰園としらかばハイツ(風連)を運営する名寄市社会福祉事業団をはじめ、市内の民間介護施設でも人材確保に苦慮しているのが実態だ。
市は前年度、今後も重要が増えることで、人材確保がさらに困難になることを想定し、国の特定技能制度を活用した外国人材の受け入れ体制を整備。人材紹介会社を通して同事業団で試験的に受け入れることを決めた。
同団では受け入れが決まって以降、3人が一日も早く職場に慣れてもらうため、毎月1回程度オンラインでコミュニケーションを深める取り組みなども進めてきた。
また、3人の在留期間は最大5年間で、3年間の実務経験を経て日本の介護福祉士の資格取得に挑む予定だ。
辞令交付式にはバクー(ネパールの正装に近い服装)と呼ばれる服を着た3人が出席。一人一人に辞令を手渡した橋本理事長は「ようこそ名寄へ」と歓迎、「皆さんと仕事ができることを楽しみにしていた。入所者だけでなく、その家族もサポートすることを頭に入れて仕事をしてほしい。日本での生活に不安もあると思うが、気軽に相談しながら伸び伸びと生活、仕事をしてほしい」と伝えた。
19日からの仕事に向け、イムソン・アラチさんは「入所しているお年寄りの安全、気持ちを考えながら働きたい」。モクタン・ウルミラさん「入浴や食事などお年寄りができないことをサポートしたい」。シェルパ・ラクパさんは「お年寄りに必要なことを全て手伝いたい」とそれぞれ日本語で抱負を語った。
また、3人はこれからの名寄での生活も楽しみにしており、「いろんな場所に行ったり、日本のおいしい食べ物を食べたい」と期待に胸を膨らませていた。
名寄新聞2023年5月19日 掲載 Web掲載日2023年5月22日
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