SL排雪列車キマロキ、「黒光りの雄姿」が再び 冬囲いシート外し、公開開始

【名寄】

長い冬眠から目を覚まし、
半年ぶりに現れた「キマロキ」

SL排雪列車「キマロキ」の冬囲いシート外し作業が、17日午前8時半から名寄市北国博物館北側で行われ、今シーズンの展示公開がスタート。「黒光りの雄姿」が再び現れ、鉄道ファンや道行く人たちの目を引いている。
「キマロキ」は、先頭から機関車(9600型)、マックレー車(かき寄せ式排雪車)、ロータリー車(回転式排雪車)、機関車(D51型)の頭文字を取ったもので、最後尾の車掌車(緩急車)も含めた編成の全長は75m。
1975年にSLが引退した後、76年から名寄公園内、93年から同館北側のJR名寄本線跡で展示保存されており、2010年にはJR北海道の準鉄道記念物に指定された。
「キマロキ」編成で保存されているのは、国内でも名寄が唯一であり、全国各地から鉄道ファンが訪れ、注目を集めている。
名寄SL排雪列車(キマロキ)保存会(中田一良会長)が維持管理に当たっており、毎年4月のゴールデンウイーク前から10月中旬まで展示公開。冬場は風雪に伴う傷みから車体を保護するため、冬囲いのブルーシートで覆っている。
春のシート外しと秋のシート掛けは、かつては同保存会員の手で行っていたが、高齢化のため、現在は所管の同館から事業者に委託しており、会員たちは現場での作業指導に携わっている。
今年は例年より1週間ほど早くシート外し作業を実施。さらに雪解けが早いこともあり、同館には展示公開の問い合わせが寄せられたとのこと。
作業では、会員たちが現場に立ち会いながら、作業員たちは車両全体を覆っていたブルーシートやロープ、機関車を囲っていた鉄パイプを撤去。長い冬眠から目を覚ました「黒光りの雄姿」が再び現れた。
「SLキマロキ」の看板も設置し、存在をPR。付近にはJR宗谷本線が敷かれ、現代の気動車が通過していく傍ら、かつて各線区で活躍したSLと、厳冬期に雪と闘った排雪車両が威風堂々とした姿を見せており、道行く人や鉄道ファンの目を楽しませている。