宇遠別トンネル舗装工など、函渠工事は数年見込む 一般道道名寄遠別線、建設促進期成会の定期総会

【名寄】

一般道道名寄遠別線建設促進期成会(会長・加藤剛士名寄市長)の2024年度定期総会が、5日午前11時から「よろーな」で開かれた。留萌建設管理部によると、24年度は北工区(遠別町側)の宇遠別トンネル内部の舗装工など、南工区(名寄市側)の宇遠別トンネル名寄市側坑口手前の工事用道路工などを行う。
同線は、名寄市から幌加内町を経て、遠別町に至る延長90km。1970年に一般道道の路線認定を受け、74年に北海道開発局による開発道路に指定され、事業着手した。91年には名寄市瑞穂~幌加内町母子里間の名母トンネルが開通した。
2006年に「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律」により、開発道路事業の計画・実施権限の移譲が決定し、10年に開発道路指定の廃止を受け、道に事業を移譲した。
道への移譲後、幌加内町・遠別町境界~遠別町正修間の7.8kmで工事が進められているが、天塩山地を越える険しい区間で難工事に。冬季の施工も困難という。総事業費は150億3千万円で、国が8割、道が2割を負担。工事用道路の延伸、トンネル掘削工法の変更、地滑り対策の範囲拡大、資材・労務単価の上昇などに伴い、19年度時点に比べ総事業費は19億3千万円増となった。
これまでに北工区4.1kmの路盤と橋7カ所、正修トンネルが完成し、宇遠別トンネルは昨年、舗装工を残して開通。南工区0.8kmの路盤と橋4カ所が完成している。
路盤などが未完成なのは、北工区1.5kmと南工区1.4kmの合計 2.9kmで、北工区の宇遠別トンネル舗装など、南工区の管渠・函渠(かんきょ)5カ所などの工事が残っている。
総会では、加藤会長が「一日も早い完成が望まれる。医療、防災の『命の道』であり、物流、観光など、さまざまな役割も期待される」と挨拶。
24年度の事業計画は、7月22日に留萌振興局と道建設部、7月24日に中央への要望を行う。
続いて、留萌建設管理部が24年度の工事概要を説明した。
北工区は宇遠別トンネル内部と道路部の舗装工(正修トンネルと橋は舗装済み)、トンネル照明用の電気通信設備工。南工区は宇遠別トンネル名寄市側坑口手前の工事用道路工、地滑り対策工5カ所を行う。
名寄市側坑口付近には函渠2カ所を25年度以降に建設予定としている。
計画では25年度の全線完成を目指すとしているが、南工区の管渠・函渠5カ所の工事が数年にまたがると見込まれており、全線完成がずれ込むことも予想されている。