どさんこのハナとゆう 三の橋、脚上げのコツ

再会した「ゆう」のもとへ、嬉しそうに駆け寄るハナ

 2022年の10月2日、冬に備えてドサンコの愛馬ハナ(メス)を、いつも世話になっている下川町三の橋の牧場にある草地へ移動。18日には、一の橋にいたドサンコ親子のゆう(メス)とラミレス(オス)も同じ牧場にやってきて、再び3頭が合流した。
 その後、ラミは乳離れのため、名寄市東風連に引き取られていったが、ハナとゆうは同じ牧場内で冬を越す。春にはハナは町内の美桑が丘、ゆうは一の橋へと移動する予定だ。
 ラミのその後の暮らしものぞいてきたので、またの機会に紹介したい。
 ハナと筆者は、毎日のように調馬策(円運動)や乗馬で運動しているが、友人・佐野美紀さんの飼う「ゆう」が合流したことで、筆者と佐野さんは合同で、それぞれの馬の世話や調教を楽しんでいる。
 佐野さんが調教や世話で困ったときは、筆者が自身の経験からアドバイス。たとえば、蹄(ひづめ)の掃除で、馬の脚を上げることにもコツがある。
 当時のゆうは、脚を上げるときに力を入れ、上げるのを拒むときがあった。脚を上げることに慣れていないか、不安や緊張があるのだろう。馬が脚を委ねるのは、自分の命を委ねることに近い。力任せに上げようとせず、信頼を深めていくのがコツだ。
 馬が脚3本でもバランスを保ちやすい体勢にし、声を掛けたり、脚をなでたりしながらリラックスさせ、脚を持ち上げる力を少しずつ強め、馬の無理のない体勢で持ち上げる。上げた後は優しく持ち、優しく脚を下ろして褒めてあげる。
 ゆうも何回か繰り返すと、脚に触れて声を掛けるだけで脚の力を緩め、こちらが力を入れずとも、持ち上げさせてくれるようになった。
 佐野さんは、ゆうと地道に調馬策も積み重ね、着実に絆を深めている。とても心強い馬仲間だ。
 ハナとゆうは普段、別々の柵に放牧しているが、一緒に放牧する時間もつくっている。ハナは嬉しそうにゆうに寄っていき、ゆうが逃げるように走ると、ハナが走って追いかけた。
 ゆうはハナに追い越されると、Uターンして走り、ハナも慌てて戻って追った。2頭は息を切らせて追いかけっこを楽しみ、満足そうな表情を見せた。
 ゆうは興奮気味で尾を立てて走っていた。馬や牛が興奮して尾を立てるしぐさを「尾立つ(おだつ)」というそうだ。
 ハナはゆうが近くにいて嬉しそう。

<名寄新聞の2022年11月12日付掲載記事を基に再構成しました>