昨年4月から夫婦で農業支援員の隊員となり、新規就農を目指して市内農家などの協力を得ながら農業の知識、技術を学び、日々汗を流している。
翔さんは1989年2月、埼玉県の生まれ。2019年から札幌市内の福祉系企業に勤務していたが、生活する中で道内産の野菜のおいしさを実感し、少しずつ農業に興味を持つようになり、名寄の農業体験への参加を経て応募して採用となった。
妻の遥香さんは1989年10月、神奈川県の生まれ。翔さんともに札幌市に移住後、北海道の基幹産業である農業を身近に感じる機会が多い中、家族で協力しながらの農業経営に魅力を感じ、翔さんとともに応募した。
2人は農業支援員の委嘱を受け、1年目は智恵文地区の農家でアスパラやカボチャ、スイートコーン、メロン、大豆などの畑作作業を経験しながら勉強。2年目の今シーズンは、風連地区の農家で水稲(うるち米)栽培の知識、技術を学んでいる。
2人とも農作業を経験したことがほとんどなかったため、隊員となってからは初めてのことだらけ。実際に農業に携わってみて、「テレビで見たことのあるイメージが強かったため、作物を育てる大変さを実感した。また、育てるために必要な多くの細かい作業もあり、想像していなかった作業や想像以上の作業が多い」。
一方で、「大変なだけに、作物がおいしく育ったときのうれしさは大きく、すてきな仕事だということも実感する」と話す。
また、「最初は慣れない作業と生活で体調を崩すことが多かった。どちらかが体調を崩すと、1人でやらなければならないため、体が資本ということをあらためて感じるとともに、家族による農業経営の大変さを知ることができた」と、農作業などを通して体調管理の大切さを痛感したとのこと。
委嘱期間は3年で、終了後は市内で水稲を中心とした新規就農を目指しており、「将来的にはメロン栽培もしたい」と意欲を見せる。
市内での生活が2年目を迎え、名寄の印象で「冬の除雪や雪道運転はまだ慣れないが、自然が豊かで、生活に必要な施設が一通りそろっているので生活しやすい。全く知らない私たちに対して、農家関係者や地域住民が温かく受け入れて指導していただき、大変感謝している」と話す。
現在は4歳の長男との3人暮らし。