スキーの魅力より多くの人々へ フランス発のスキー本「100%SKI」 名寄市立大学准教授の清水さん、翻訳出版へクラファンに協力呼びかけ

【名寄】

名寄市立大学保健福祉学部教養教育部・准教授の清水幸子さんは、スキーの魅力を多くの人々に届けたい―と、フランス発のスキー本「100%SKI」の翻訳出版に向けた作業を進め、実現に向けてクラウドファンディングを来年2月29日まで実施。協力を呼びかけている。
清水さんは京都府生まれで、幼少期を関西で過ごす。父親の影響で3歳からスキーを始め、スキー技術の習得と研究のため上越教育大学大学院へ。スキーのバイオメカニクスの研究に打ち込むとともに、スキー技術選にも挑戦。全日本スキー連盟のスキー指導員資格を、受験できる年齢である当時の最年少となる23歳で取得した。
専門学校や短大、大学でスポーツ科学の教員として勤務しながら子どものスキーやジュニアスキー選手の指導に携わる。2021年9月、名寄市立大学の教員として着任。スポーツ理論やスポーツ実技、スキー実技などで教鞭をとる傍ら、名寄のスキーの歴史やクラシックルートの調査研究も実施。弊紙でスキーコラム「シュプールを描いて」を連載中。
清水さんと「100%SKI」との出会いは今年2月、清水さんがフランスのバルディゼールスキー場の中腹にある土産屋を訪れた際、「100%SKI」というインパクトあるタイトルの子ども向けの本に引かれたという。帰国後、本を読み、子ども向けとは思えないほどの内容に衝撃を受けたという。
うれしさのあまり、フランスの出版社に感想を投稿したところ、「日本で翻訳出版してみては」との返答。「将来的に子ども向けスキー本を作りたい―という夢がある」という清水さんは即行動に移し、文化庁に申請し版権も取得。来年3月には本格的な翻訳作業に入り、秋ごろの完成を計画している。
清水さんによると、「100%SKI」はアウトドアスポーツのシリーズ本の中の一冊。「各国のスキー場について、スキー場での作業、世界の特徴的な索道(リフト)、なぜ雪が降るのか、雪崩の種類、パトロールの仕事、オリンピックの歴史など、スキーに関するありとあらゆることが記されている。日本の紹介では北海道のパウダースノーも記されている。クイズなども用意され、子どもにも親しめる内容」とし、「自分が書きたいと思い描いていた以上のことが、この本に記されていた。技術ばかり追い求めていた自分だが、スキーはもっと広い世界にあるものだとあらためて考えさせられた。親子で楽しんでもらえるスキーブックだと感じ、やろうと決意した」と話す。
翻訳出版に当たっては、クラウドファンディングを活用。清水さんは「スキーファンを増やしたいという気持ちが第一で、読みたい人に届けられる。完成後は名寄地域の小学校にも寄贈し、活用してもらえればいいなと思う。名寄ピヤシリスキー場も50周年を迎えるが、次の50年を見据え、スキーの魅力を子どもたちに伝えていける本になってくれれば」と目を輝かせる。
支援方法は専用サイト(http://thousandsofbooks.jp/project/100ski/)へアクセスを。