リニューアル効果など、2023年度は367万円の黒字 名寄振興公社定時株主総会、インバウンド増へツリーラン拡大

【名寄】

2023年度事業などを報告などを報告した
定時株主総会

名寄振興公社(代表取締役・橋本正道副市長)の第52期定時株主総会が、5月30日午後1時半からなよろ温泉サンピラーで開かれた。2023年度決算は、同サンピラー温浴施設部分のリニューアル効果や新型コロナ5類移行に伴うリバウンド効果などにより、367万円の単年度黒字を計上した。
総会で橋本代表取締役は「令和5年度はリニューアル後、最初の年間通しての営業ができる重要な年度として取り組んだ。本年度も社員一同、努力したい」。設置者の加藤剛士市長が「物価高騰の影響で厳しい経営環境だが、その中でも成果を上げている努力に感謝している。本年度も、利用者のニーズに合った取り組みをお願いしたい」などと挨拶した。
23年度はコロナ前の18年度決算を目標値に設定して営業を展開。経営の核となるホテル部門(宿泊、レストラン、入浴)をみると、22年11月からのリニューアル効果や入浴料の増額改定などにより、18年度値(1億8410万円)には若干届かなかったものの、22年度比では6209万円増の1億7611万円となった。
スキー部門は、スマートゲート導入に伴って回数券と時間券の価格を改定して1日券ニーズへシフトしたことや、ヨロカ(電子地域通貨)のポイント付与キャンペーン実施、インバウンド層を中心としたツリーラン効果などで、18年度値(3600万円)と22年度(3536万円)を上回る3644万円となった。
なよろ健康の森などの公園管理部門を加えた指定管理委託料を含む全部門総売上高は4億6650万円となり、22年度比7162万円増加した。
一方で、電気料、燃料、物価の高騰をはじめ、人員補充や最賃引き上げなどの支出も増加したため、最終的な当期純利益は22年度比で375万円減の367万円を計上した。
また、元支配人が独断で指定管理委託料の債権を第三者に譲渡した問題に伴う経営改善計画では、勝訴が確定して6056万円が返還され、市から借り入れていた5400万円のうち3000万円を返還。残りは資金不足に備えて公社で保管し、市への返還残金2400万円は24年度から31年度にかけて返済する。
1405万円の累積欠損金については、25年度までに解消する計画とした。
本年度の事業計画は、スキー部門の新たな取り組みとして、スキー場の夏期間の活性化に向けて、ドローン飛行場、「ふわふわ遊具」・テントサウナのレンタルを行って、夏期間の収益確保を図る。
冬期間は人気コンテンツのツリーランエリアを拡大してインバウンド増加につなげていく。
ホテル部門は、スタッフ不足で毎週月曜日と火曜日を休業しているレストラン部分を従前の営業体制に戻し、宴会受注の取りこぼしを防ぎ、売り上げアップを図る。
また、新しい取り組みでは、同サンピラー南側駐車場にRVパークを整備し、ニーズが高まっている車中泊旅行者の利用を促進していく。
24年度の目標値は総売上高を4億7200万円とした。