下多寄地区で116年の歴史 風連獅子舞が勇壮に奉納 初の「街中の演舞」も大好評 名寄市無形文化財

【名寄】

秋晴れの田園地帯や風連街中に笛、かね、太鼓のはやしが響き獅子舞が勇壮に躍動した―。風連下多寄地区で伝承されてきた風連獅子舞が、6日午後2時から風連下多寄神社で奉納された。引き続き市街地でも演舞を披露。集まった市民から「すごい迫力」「とても見応えがあるね」など大きな反響があった。街中の演舞披露は今年初めて。
この日は下多寄神社祭の本祭り。同神社は、黄金色に稲穂が垂れる水田地帯の真ん中。116年の伝統を刻む獅子舞を眺めようと、神社境内には次々と人々が集まった。
演目は「祇園ばやし」「吉崎」「獅子殺し」など。笛、かね、太鼓のはやしに合わせ、全長約5mの獅子が境内の広場いっぱいに躍動した。小中学生の獅子捕(ししとり)メンバーが、大きな獅子を操るように舞い呼吸もピッタリ。演舞が終わるたび、周りから大きな拍手が起きた。
獅子舞奉納に先だち、同神社神殿で神事。神官の祝詞の後、地域の女子児童2人による「浦安の舞」も奉納。豊穣(ほうじょう)に感謝、地域発展を祈願した。
貴重な文化遺産を永久に保存しようと、風連獅子舞保存会(山口裕司会長)は、名寄市無形文化財第1号の指定も受けている。しかし、演舞の担い手不足が厳しくなってきたため、今年初めて特養ホームしらかばハイツなどで「街中の演舞」を行った。
午後4時から風連の中心街、本町イベント広場で演舞を初披露。周辺住民や商店、オフィスなどから多数が参集。「獅子舞を見るのは初めて」という人たちが多く、勇壮な舞を真剣に眺めて盛んに拍手を送っていた。
最後に縁起が良いとされる獅子による子どもの頭かみ。近くのオフィスから「今年11月に赤ちゃん誕生」という女性。大きなお腹の前で、獅子が口を開け「カチカチ」と祝福の音を立てていた。
山口獅子舞保存会長、若連中・部長の筒井聖紀さんは「地域以外の人にも関心を持ってほしい。新メンバー大歓迎。お披露目を兼ねての街中演舞です」と話し、手応えを感じていた様子だった。

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