下川の日野昭雄さん「時化の日」が文部科学大臣賞 写真公募展「2024JPS展」の最高賞 「刺激し合い活動している仲間のおかげ」

【下川】

「受賞は今でも信じられない」と
語る日野さん

日本写真家協会(JPS)主催の写真公募展「第49回2024JPS展」一般部門で、下川町共栄町の日野昭雄さん(87)の作品「時化(しけ)の日」(単写真、モノクロ)が、最高賞となる文部科学大臣賞を受賞した。北海道在住者が同展で最高賞を獲得するのは初という快挙。日野さんは「自分が選ばれるとは、夢にも思っていなかった。今でも信じられない」と喜びを語っている。
JPS展は、プロの写真家への登竜門とも言われている一般公募展。一般、18歳以下の2部門からなり、今年は1720人(一般1506人、18歳以下214人)が応募。JPSの熊切大輔会長ら5人が審査に当たり、一般部門では196人が入賞・入選した。
日野さんは、1936(昭和11)年11月11日、下川町の生まれ。写真歴は約50年。ニッコールクラブ道北支部(向井和栄支部長)の副支部長兼事務局長。カメラ雑誌には毎月作品を応募している他、写真道展では通算で30回入賞・入選を果たしている。
2008年の「第56回ニッコールフォトコンテスト」では、舌に釣り針を引っ掛けてしまったヒグマなどを収めた「不都合な接点」(2枚組)が、全4部門の各大賞作品の中から最優秀作品に贈られる長岡賞に輝いている。
最高賞を獲得した作品「時化の日」は、今年1月8日にオホーツク海岸を訪れた際に撮影した作品。日野さんは「本来なら小さいはずのネコを大きく、海岸に打ちつける大きな波を小さく収めるというアンバランスさで、非日常を表現した」と説明。応募締め切り約1週間前に撮影したとのこと。
日野さんは、5年前からJPS展に毎年応募しており、これまでに入選は2回。日野さんは、毎週のようにオホーツク海岸を訪れ、人物や野生動物、流氷などの情景をカメラに収めている。
写真の魅力について、「頭を使うので、脳のトレーニングにもなるし、作品を作り上げていくという楽しみがある。シャッターを切り、たまに自分が思い描いたものよりもうまく撮れていることがあり、それも楽しい」と言う。
今回の受賞に「互いに励まし合い、刺激し合いながら活動している写真仲間のおかげ。年をとってもやれるということを示せたと思う。少しでも写真愛好者たちの刺激になればうれしい」と語る。
日野さんは18日午後から東京での授賞式に出席予定。日野さんは「他の入賞作品も素晴らしいものばかりで、審査員の方々が自分の作品をどう評価してくれたのか、講評会が楽しみ」と語っている。

文部科学大臣賞を受賞した作品「時化の日」