【下川】
下川町では10日午前、浄水場(町内北町311の4)の配水量が極端に増えるなど異常を確認。市街地で水道から水が出なくなったり、水圧が落ちるなどの事態となり、町は同日午後5時15分に市街地、上名寄地区を中心とする約1500世帯への配水を停止した。町によると原因は明らかとなっていないが、浄水場から市街地へと伸びる配水管からの漏水の可能性が高く、専門業者による漏水箇所の特定調査が行われている状況で、復旧のめどは立っていないという(11日午前11時現在)。
町によると、10日午前10時ごろ、浄水場で通常を大きく上回る配水量を確認。同11時半ごろ、町民から「水道の水が出にくくなっている」と役場に通報があった。その後、浄水場の貯水量低下などにより、午後5時15分に配水を停止した。
このため、水道水の計画断水は、一の橋地区や農村部などを除く、市街地、上名寄地区で、町全世帯数の9割程度に当たる約1500世帯に及ぶ。
計画断水により、町ではトイレや暖房(一部施設)に必要な水が供給できないことなどから、町立下川病院、認定こども園を除く公共施設を、水道水が復旧するまで休館とすることを決定。この他、下川小学校は11日を臨時休校、下川中学校は、11日は午前中のみの登校とし、12日の卒業式は通常通り実施する計画。貯水槽のある下川商業高校は通常通りの授業。町立下川病院も貯水槽や給水袋でしばらくの間は問題なく対応できるという。
計画断水の実施を受け10日、町職員は浄水場で直接、災害発生時用の給水袋(6L、1000袋)に水を詰め、マイクロバスや町用車で役場までピストン搬送。午後7時45分から町役場前で給水袋の配布(1世帯1袋)を開始。また、公民館ではペットボトル入りの飲料水(500ml、12本)を配布した。
このため庁舎前の町道や庁舎敷地内には町民の車が次々と訪れ、職員が誘導に当たるなど、対応に追われた。
役場を訪れた町民は「復旧までにどれくらいかかるだろうか」と不安げな表情で職員に問いかける様子が見られた他、「トイレは家族でまとめて済ませるなど、災害時の訓練だと思って取り組んでいる」などの声も聞かれた。近所に住む独居高齢者の代わりに役場を訪れた人や、水袋を重そうにする高齢者に代わって、車に運び入れる様子も見られた。
翌11日、町では午前8時半から1時間、庁舎前で、給水袋による飲料水の配布を再開した他、同10時から午後9時半にかけて、給水車による飲料水の配布も実施。
また、同日午前6時、同11時、同4時、同8時からの各2時間、浄水場からの送水を行った。町は「途中で水が漏れていたとしても、水道から一定程度の水を確保することができる」と、トイレ用など生活用水として汲み置きするなど対応を呼びかけるとともに、引き続き、節水に協力を求めている。
町によると、浄水場からの配水管のどこかで大規模な漏水が発生していると想定されるが、道路などから水が噴き出ているといった状況は確認されていないという。明日以降、漏水箇所が特定するまで、計画断水を実施していく予定。



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