下川町ふるさと開発公社23年度実績 指定管理料の大幅増も 五味温泉部門で赤字拡大 「結いの森」は黒字

【下川】

五味温泉、宿泊研修交流施設「結いの森」などを運営する一般財団法人下川町ふるさと開発振興公社(高橋裕明理事長)の2023年度の営業実績がまとまった。
コロナ禍の行動制限解除などで事業収入は、前年比1377万7千円増の1億9036万8千円となったものの、物価高騰などによる経費の伸びが大きく、経常費用等が同1963万7千円増の2億1068万7千円となったことから、差し引き、2031万9千円の赤字決算となった。
部門別の内訳をみると、エコハウスを含む五味温泉部門は、宿泊が前年比94人減の6196人、日帰りが同4367人減の7万851人、合計で7万7047人と、日帰り、宿泊とも、前年度を下回った。
事業収入(売上)は、宴会や仕出し関係の増加、価格・メニューの見直しなどで宿泊収入が前年比142万円増の3116万9千円、食堂収入が同626万5千円増の4461万4千円となったものの、商品収入は、同71万6千円減の1382万6千円、入館料・その他収入が同127万円減の2745万4千円、雑収入はコロナ関連の補助金などが大きく減少したこともあり、同1563万8千円減の198万5千円、町からの指定管理料収入は経費が大きく増加したことから同2300万円増の2900万円となり、収入全体では同1306万1千円増の1億4804万8千円となった。
一方、事業支出(費用等)は、事業仕入れが同928万7千円増の4406万6千円、人件費が同379万1千円増の5212万1千円、管理費が前年同額の30万円、会議費が同皆増の21万2千円、その他事業費が同537万9千円増の6438万3千円となり、支出全体では、同1866万9千円増の1億6108万2千円となった。収支の差額はマイナス1303万4千円で、これに、旧クラスター事業への振替分824万1千円を合わせて、最終的に2127万5千円の赤字となった。
次に、結いの森事業部門では、宿泊者数は前年比160人減の3955人となったものの、宿泊料金波動設定のディリー調整などにより、宿泊収入および宿泊単価は上昇した。
事業収入は、宿泊収入が同213万5千円増の2916万5千円、商品売上が同1千円増の5万1千円、雑収入が同1万5千円減の14万9千円、指定管理料収入が前年同額の850万円で、収入全体では、同72万3千円増の3786万5千円となった。
一方、事業支出は、事業仕入が同20万8千円増の148万5千円、人件費が同28万4千円増の2085万4千円、その他事業費が同49万円増の1427万円、管理費が前年同額の30万円で、支出全体では、同75万2千円増の3690万9千円となり、差し引き95万6千円の黒字となった。
両部門の合計では、2031万9千円の赤字決算となった。課題として、赤字額が増加した五味温泉部門は原価率が高くなっていることから、原価率の改善(低下)などに取り組むこととしている。
なお、同公社では他に、町からの受託事業で空き家の調査を行い、町内で59軒の空き家を確認。その他、空き家バンクの運営・管理、空き家コーディネーターの育成なども実施している。