下川町認定こども園 自分の手に合わせ整形、卒園記念して親子で箸作り

【下川】

町認定こども園「こどものもり」(古屋いづみ園長)を今年3月に卒園する5・6歳児(年長組)19人は、卒園の記念品として「マイ箸」を、27日午前10時から同園で作り、思い出を形に残した。
こども園保護者の会(大石陽介会長)が、子どもたちへ森林のまち・下川ならではの贈り物をしたい―と企画したもの。地元産の間伐材を鉋(かんな)などで削る「八角箸」作り体験を提供している町内の体験工房「木子精(きのこころ)」の職人・近藤正治さんを講師に迎えて行われた。
この日、製作した箸は、小学校進学後の給食や日ごろの食事で使用する考え。箸材の樹種は、入学や卒園をイメージできるサクラを選んだ。
大石会長は「自分で作った箸を使うことで食べる喜びを感じ、食べ物や暮らしを大切にしていく機会にしたい」と話す。
1カ月前から年長組の保護者の参加を呼びかけ、同日に参加できない保護者のため予備日も設けていたが「クラスメイトと一緒に製作して、子どもたちの思い出にしたい」と保護者全員が時間を確保。年長児と保護者全員が参加した。
今回の箸作りでは鉋を使わず、園児たちが保護者に手伝ってもらいながら紙やすりで材を削って製作。
近藤さんから「上端は手首を動かさず時計の針のように回転しながら削り、丸みを持たせよう」「先端は鉛筆で書くように削ろう」など助言を受けながら夢中で作業を進め、持った感覚を確かめながら、自分の手の大きさに合わせた箸に整えた。
また、整形した箸には、バーニングペンで名前や絵などを焼き付け、えごま油を塗って仕上げた。
保護者は「卒園の思い出を、ずっと使うものとして残せるのがとても良い」。園児は「焼き付けるマークを考えるのが楽しい。大切に使いたい」と、うれしそうな表情を浮かべていた。
古屋園長は「親子で作った箸で食べることは思い出にもなるし、食育にもつながる。保護者の会の提案で、すてきな機会をいただいた。園児たちは月1回『森のあそび』で木に触れているので、身近な自然素材に親しみも感じると思う」と語る。
他のクラスの修了記念品も、下川産の木材にこだわった。2歳児以下には木の組み立て玩具、3・4歳児(年少組)には、さまざまな樹種の音の違いを楽しめる木琴、4・5歳児(年中組)には木製の円台の上に木製ドングリ乗せて遊ぶ玩具を、それぞれ用意することになっており、いずれも地元で木材加工を行う、フォレストファミリーに発注している。