名寄市の町内会③
14区町内会の取り組み
名寄市内に72ある町内会のうち、世帯数も多く、町内会に居住する外国人も行事等に参加している第14区町内会の取り組みについて、田中和秋会長、遠山徳治副会長(民生委員児童委員)、宮越幹男事務局長、川崎かおる女性部長に話を聞いた。
14区町内会の歴史は古く、当初は高見区や緑丘区を含んでいた。当時は、行政区制度(第1回参照)であったため、町内会長の名称は名目的であった。1973(昭和48)年に蓑島重太郎氏が会長の時代に町内会組織の充実を図ったことから、同年を14区町内会のスタートの年とし、83年に活動の拠点である「14区福祉会館」を建設し、93(平成5)年10月に「町内会発足20周年・福祉会館建設10周年記念式典」を挙行している。(以上「ふるさとの誌 14区町内会」〔93年10月発行〕より抜粋)この間、町内会の活動が評価され、86年に北海道町内会連合会の会長表彰を受賞している。
同町内会は、名寄東小学校の校区内にあり、344世帯(2024年12月現在)、38班で構成しており、総務部、子供育成部、女性部、体育部、交通防犯部、環境衛生部、福祉部、保健推進部、会館運営部の9部と、事務局、財務局(会計)の組織があり、それぞれが役割分担しながら、町内会活動を実施している。
1世帯当たりの町内会費は年間4800円で、本年度の予算総額は400万円と規模が大きい。町内会館の運営費も計上しているが、多くの事業を実施している証しでもある。
主な事業として、総務部では、ふれあい夏まつり、敬老会、新年会など。子供育成部では、廃品回収(3回)、ラジオ体操(8月末まで開催し、福祉部と保健推進部が協力)、子どもみこし、キャンプ、クリスマスの集いなど。女性部では、手作り講習会、健康教室(ボッチャ)の開催、日帰り入浴など。体育部では、パークゴルフ大会など。交通防犯部では、新入学時期や春夏秋冬の交通安全街頭啓発、児童などの見守り活動など。環境衛生部では、東3条通りラベンダーの剪定(せんてい)、清掃活動など。福祉部では、ネットワーク食事会など。保健推進部では、健康教室(毎月)など。会館運営部では、エンレイ公園内の草取りや会館清掃などを実施している。この他、町内会館にエコキャップ等の回収ボックスの設置、ボッチャ例会の毎週開催など、えんれい会(老人クラブ)などとの連携も含めて会員相互の親睦を深めている。
町内会には、特別養護老人ホーム清峰園に勤めるネパール人が23年5月から居住している。女性部や事務局の担当者の努力により、ごみの分別などを含めて日常生活全般の相談や支援を行っており、町内会の行事にも数多く参加している。川崎女性部長は「彼女たちも名寄での生活に慣れてきて、お世話していた自分たちがいなくても、行事などに積極的に出てくれるようになり、多くの会員と交流しています」笑顔でと語る。
新年会や夏まつり、ラジオ体操、クリスマス会などの行事の参加者が多いことについて、田中会長は「いろいろな活動を通して相互の親睦が図られ、多くの会員が参加してくれている」と話す。
07年には、小学校区ごとに組織されている安全安心会議をサポートするため、「14区町内会安全・安心パトロール隊」を結成し、児童の登下校時の見守りや声かけ、夜間のパトロールなどを実施している。15年には活動が評価され、北海道防犯協会連合会の「防犯功労ボランティア団体表彰」を受け、現在も、1日平均で5~6人が見守り活動を行っている。
過疎化や少子高齢化で人口減少が進む中、多くの課題がある町内会活動について、田中会長は「おかげさまで、会員相互の協力などもあり、役員の成り手不足などはそれほど感じない」と語り、今後も多くの会員の協力を得て、町内会活動の充実に努めていく考えだ。

など14区貯内会の役員-1-1024x683.jpg)
