健康のまちづくりサミット・KeDプレゼンで稚内市が優勝 佐藤主査が医師確保や開業医誘致など先進事例発表

賞状や楯を持つ佐藤主査

  今月2日に愛媛県宇和島市で開催された第7回健康のまちづくりサミット(健康のまちづくり友好都市連盟主催)で、加盟自治体が取り組みを発表するKeD(ケッド)プレゼンで稚内市が優勝を果たした。2018年度以来6年ぶり、3回目の快挙でプレゼンした健康づくり課地域医療グループの佐藤真知子主査は「市立稚内病院や開業医誘致の取り組みなどを伝えることが出来て良かった」と喜んだ。

 全国規模のサミットで、各地で取り組んでいる地域ぐるみの健康増進活動や政策、まちづくり活動などの推進を目的に開催。16年に設立し、稚内市は当時から加盟。現在は35自治体で構成し、宗谷管内では稚内と礼文の2市町のみ。今回のサミットには22自治体から83人が参加した。

  プレゼンは21自治体が行い、佐藤主査は16番目に発表。稚内市の開業医誘致や市立病院の初期研修医確保、地域医療を考える稚内市民会議・病院応援団、慶応義塾大学医学生等の実習受け入れの各種取り組みを伝えた。

  開業医誘致はクリニック等の開業を市が助成する制度で、これまでに市内で整形外科や小児科、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科の各医院が開業。市立病院の負担軽減や混雑緩和に繋げている。市立病院の研修医はここ数年、定員を上回る募集があり若手の医師が実践的な経験を積む場所として全国から注目されている。さらには研修医を経て、市立病院の専門医としてUターンする人の割合も増えている状況で、地域医療の担い手確保にも繋がっている。慶応義塾大学生の実習は今年度、医学部・薬学部・看護医療学部合同で約30人の学生が地域診断で稚内の医療などの強みや課題等を明らかにした。

  プレゼンは、参加した各自治体の担当者が評価し合う方式で、稚内市が最高得点で優勝を飾った。佐藤主査によると、他市町村でも医師確保などで大きな課題に直面している中で、稚内市の取り組みに共感する担当者が多かったことが結果に繋がったとみられる。

  佐藤主査は「1位になることが出来て驚きました。稚内市に限らず、全国で医師確保の苦労が窺え、稚内市の取り組みが参考になってくれるとありがたいです」と述べた。

    (梅津眞二)

日刊宗谷の購読をご希望の方は以下のお電話またはホームページからお願いいたします。

TEL:0162-23-5010
HP:宗谷新聞社ホームページ