元気教室の高齢者がハナに会う散歩で元気に

9月30日は帰路の散歩をハナ(馬は車道通行)も同行

 下川町の介護予防事業で、心身のリハビリに取り組む「元気教室」の利用者が、2021年8月から、散歩の一環として愛馬ハナ(北海道和種馬)に会いに来て、触れ合ってくれている。
 「元気教室」は毎週火・金曜日の午前8時45分から同10時半まで総合福祉センターハピネスで開催。脳血管障害の後遺症に悩む人、疾病、外傷、老化などによって心身の機能が低下している人たちが、町の作業療法士などから指導を受け、集団体操、レクリエーションなど心身機能の維持回復訓練を行っている。
 筆者は、雪のない時期に週に1日程度、ハナを自宅(兼名寄新聞社下川支局)庭に連れてきて放牧し、道行く方々に触れ合っていただいている。ハピネス裏庭と自宅庭は同じ町道「ふるさと通り線」沿いで、徒歩2、3分の距離にある。
 自宅の庭にハナが往来していることを知った「元気教室」利用者たちが、昨夏から散歩の時間に「ただ歩くだけではつまらない。ハナのいる場所まで歩こう」と、往来し始めた。
 利用者の方々には、身体機能の低下によって、歩くのが大変な方もいる。手押し車で体を支えながら歩く方もいる。近くとはいえ、はじめは思い切った挑戦でもあったと思うが「馬に会う」という目的を励みに、ハナのいる場所まで歩いて来てくれた。
 以後、元気教室の日とハナの放牧が重なると、自宅庭まで会いに来て、ハナに草を与えるなど触れ合ってくれている。馬を通じて昔のことを思い出しながら、会話も盛り上がっているようだ。
 何度も往来するうちに移動にも慣れ、当初15分かかっていた片道の移動時間は、今では5分に短縮したそうだ。
 2022年9月30日も町社会福祉協議会健康運動指導士、介護職員の付き添いで、利用者10人がハナに会いに来てくれた。
 この日は筆者も居合わせたが「国道が砂利道だった時代、砂ぼこりがたたないよう、馬車で散水していた」「馬の痛いところにはりをさしていた」など昔の話が次々に出ていた。
 元気教室の皆さんに感謝申し上げます。
ちなみに今年の春は冬の間もハナにすぐに会いに行けるようにと、リハビリを頑張って、雪解け早々から来てくださっています。

<名寄新聞の2022年10月10日付掲載記事を基に再構成しました>