写真家・斉藤マサヨシさん 圧巻の利尻富士百景 10年の集大成飾る

利尻富士百景の集大成を迎えた斎藤マサヨシさん

 稚内市在住の写真家、斉藤マサヨシさん(69)が、2015年から行ってきた利尻山の写真展「利尻富士百景」。最終の10年を迎え、樺太記念館で展示を行っている。西稚内地区で生まれ育った斉藤さんが、幼い頃から身近に感じていた利尻山。1年に10点ずつ写真展示を行い、様々な山の〝表情〟が多くの市民や観光客に親しまれ、斉藤さんは「はじめは10年続けられるか不安もあったが、地元の方が利尻山を誇りに思い、観光客に自慢して頂きたい」と期待する。

 利尻富士百景として最後の10点は、様々な季節の利尻山と銀河や流れ星、夕焼けなど迫力や静けさが伝わる写真を揃えた。20年7月にはネオワイズ彗星と天の川銀河、月などの下で輝く美しい山や21年12月には銀河と流れ星、利尻山が鮮明な写真も。冬とあって川も凍るほどの気温で「寒さに耐えながら待ちました」と斉藤さん。

  このほか、富磯の海岸で波が激しく消波ブロックに当たり、波しぶきの奥に雄大な利尻山をとらえた1枚も。礼文島の北のカナリアパーク近くの高台から朝日に照らされる美しいシルエットや真っ赤に燃えるような夕焼けに浮かぶ利尻山、冬のパンケ沼で凍った湖面と冠雪で白銀の山頂や山肌などを撮影。季節や時間、場所で山の表情が異なる部分をとらえた。また、オオワシが飛び立つ瞬間やマガンの群れと風車群、美しいエゾカンゾウなどの動植物と雄大な利尻山も圧巻。

  利尻富士百景を始めた2015年。当時、画家の高橋英生さんが構える市内上勇知のあとりえ華が主催していた。17年に高橋さんが亡くなり、18年からは稚内市教委の主催で樺太記念館で開催するようになり、展示は約2か月の期間限定ではあるが、これまでに多くの市民や観光客を感動させてきた。

  利尻山の写真展は一区切りとなるが、斉藤さんは「これまで情報提供やアドバイスを頂いた多くの方に感謝。今後もライフワークとして利尻山の写真は撮り続けたい」と意欲。

  展示は9月末までで同館の開館時間(午前10時~午後5時)であれば無料で鑑賞できる。また、9月14日午前10時からは斉藤さんが写真について展示会場で解説するミュージアムトークを計画している。

(梅津眞二)

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