【名寄】
名寄市立大学教養教育部准教授の清水幸子さん翻訳のフランス発のスキー本「100%スキー」が、このほど完成。クラウドファンディングを活用し、さまざまな人の支援をもらいながら約1年かけて完成にこぎつけた。世界各国のスキー場やなぜ雪が降るのか、オリンピックの歴史など、スキーに関連するありとあらゆることが記された一冊。清水さんは「多くの支援に感謝したいです。家族で長く活用してもらえればうれしいです」と語る。同書は1月17日から書店での販売が開始される。
清水さんと、原著の「100%SKI」との出会いは昨年2月、清水さんがフランスのスキー場にある土産物屋とのこと。購入し、帰国後、本を読み、子ども向けとは思えないほど充実した内容に衝撃を受けたという。
その後、日本語訳本の出版を決意。文化庁に申請し、版権も取得するなど作業を開始。昨年12月から出版に向けた資金確保のため、クラウドファンディングを開始。今年4月から本格的翻訳作業を始めるなど準備を進めてきた。
翻訳作業に当たり、「日本のゴーグルはマスク、ストックはバトンと言うなど、日本と海外で使用されているスキー用語が異なり、編集者とのやり取りを繰り返しながら、日本のスキー用語に変える作業に苦労しました」。
また、イラストの位置や大きさなど、原著のレイアウトは一切変えてはならないというのが条件の一つで、「小学生から大人まで幅広い年代の方々に読んでもらいたく、限られた字数の中で、日本語で分かりやすく表現する必要がありました」と語る。
今回の翻訳本の発行には、さまざまな人の協力で実現できたという。星野リゾートの星野佳路代表もその一人。クラウドファンディング中、スキーのことであれば協力したい―との申し出があったとのこと。
清水さんは「星野代表と電話で15分ほど話をして、『スキーに対する、すごく大切なアプローチの仕方。こんなことをやっている人は他にいない。出版にも協力したいし、私の思いも載せてほしい』という話をいただいた」という。星野代表のスキーに対する思いは、解説という形で2ページにわたってつづられている。
また、「スキーの世界を360度の方向から語り解説している本。子どもから大人まで読めばスキーに行きたくなります」という、本の帯のコメントも星野代表が手がけた。
清水さんは「大人や子ども、スキーをする人、しない人も含めて、スキーの魅力や文化を知ってもらいたい」と、完成した本は、名寄市内の各小学校に寄贈した。
また、北国博物館で行われている第51回特別展「名寄とスキー 雪質日本一の歩み」(2月21日まで)の図書コーナーに、100%スキーの他、フランスのスキー絵本なども置いてあり、自由に読むことができる。
関連企画として、清水さんによる講演会「名寄のスキー文化と歴史探訪 スキー場とクラシックルートを巡る」が、1月19日午後3時から同博物館講堂で予定されており、併せて100%スキーの販売も予定している。
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