稚内市職員では、歴代3人目の南極観測隊員として業務に当たっている鎌田隆雅さん(35)=人事厚生課主任=。第67次隊員として南極に向けて12月4日に日本を発つが、それを前に、28日にはえびなイベントホールで壮行会(実行委員会主催)を開催。市内在住で過去に隊員として任務に当たった人や市職員、来賓など約80人が出席し、鎌田さんを含む67次隊全員の南極での任務遂行と無事帰国を願った。
拍手の中、鎌田さんが入場し、実行委員長の工藤広市長が「鎌田君には貴重な体験を子ども達に届けてほしい。我がまちの伝統といえるように次に南極を目指す若者を育てていきたい。南極で任務を遂行して頂き、再来年には元気な姿で故郷に戻ってきてほしい」と期待を込めて挨拶。吉田孝史議長が激励した。
医師で21次隊、28次隊として任務に当たり現在は南極ОB会北海道支部長の高木知敬さん(76)が「稚内市役所から3人目の人材。鎌田さんが担当する庶務の仕事は観測隊の潤滑油的存在。隊の運営を円滑にさせることが役目。体も心も健康で日本に帰ってきてほしい」と挨拶し、乾杯の音頭。シンガーソングライターのエビナマスジさんが歌の披露に続き、会場に駆け付けた67次隊の青木茂隊長、67次夏隊で鎌田さんの仕事のパートナーを務める新田洋一朗さんがスピーチで激励した。
小中高校の同級生で稚内消防署に勤務する川村元太さん(34)家族から花束を受け、鎌田さんが壇上で「市職員では15年ぶり3人目の観測隊員だが、社会情勢が複雑化・多様化する昨今、柔軟に対応できる力が必要になる。事務職として専門的な任務に当たる隊員のサポートに努めたい。帰ってきた際に子ども達に魅力を伝えられるようにしたい」と決意。川野忠司副市長の万歳三唱で鎌田さんの背中を押した。
市職員として46次隊で活躍し、現在は定年退職している近江幸秀さん(64)は「南極昭和基地の空気を五感で感じてほしい。3人目を選んでくれた稚内市に感謝」。第52次隊員を務めた現・稚内市人事厚生課長の市川正和さん(53)は「いよいよ出発が近づき、送り出すことが出来て嬉しい。鎌田君なりに頑張ってきてほしい」。海上保安庁から21次隊として任務に就いた門馬勝彦さん(81)は「若者の励みになるよう任務に当たり、無事に帰ってきてほしい」とエールを送った。
鎌田さんを含む観測隊本隊は日本を出発後、オーストラリアでしらせと合流。年内に昭和基地到着、現地での越冬期間は2026年2月〜27年1月まで。(梅津眞二)
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