名寄 たに内科クリニック、最新エコー検査装置を導入 肝臓の硬さや脂肪量を計測、脂肪肝炎などの早期発見・治療へ

【名寄】

市内西8南11のたに内科クリニック(谷光憲院長)では、超音波で肝臓の硬さや肝臓組織内の脂肪量を計測する最新のエコー(超音波)検査装置「ARIETTA(アリエッタ)750」(富士フィルム社製)を、道北地域で先駆けて導入。肝臓の硬さを数値化し、脂肪肝炎などの早期発見、治療につなげられるという。同クリニック臨床検査技師の岡田裕樹さん(41)は「一部を除く臓器をミリ単位で検査することができ、従来以上に微小な病変を見つけることができる」と期待を込める。
肝臓は炎症によって硬化(線維化)が進行すると、肝硬変や肝がんとなるリスクが高まるという。肝臓は腎臓、膵臓(すいぞう)と同様、「沈黙の臓器」と言われ、症状もなく病気が進行しやすいことが特徴。
谷院長は、糖尿病やアルコール性、非アルコール性など生活習慣に起因した脂肪肝が増加傾向にあるとし、「血液検査では肝機能がそれほど悪くないのに、肝臓の脂肪量が増え、肝臓が硬くなっている『隠れ脂肪肝炎』が増加している。このような方は肝硬変になりやすい傾向にあり、早期の生活習慣の改善が必要」と強調する。
同クリニックでは、最新のエコー検査装置を、今年4月に導入。検査は保険適用で、胃、肺、腸を除くあらゆる臓器の検査が可能という。
最新のエコー検査装置を扱うのは、旭川の医療機関を経て、今年3月末に同クリニックの臨床検査技師となった岡田さん。
岡田さんは「超音波の取り扱いは、一定の経験や知識が必要だが、最新の検査装置は使用しやすく、画像の鮮明度、視認性、操作性も高く、持てる技術を最大限に生かすことができる」と語る。
従来のエコー検査装置と比較し、岡田さんは「通常のエコーでは、肝臓を遠くから眺めているような感覚。最新のエコーは、リアルタイムに肝臓を手に取って見ているような感覚」と説明。
現在は毎日20件ほどを検査しているとのこと。視認性や操作性などが向上したことで、肝臓、心臓、膵臓、胆のう、腎臓、脾臓(ひぞう)、子宮、膀胱(ぼうこう)、腹部大動脈と、これら全ての検査時間は10分程度で可能という。また、痛みもなく体に無害で、患者の負担も大幅に軽減されている。
谷院長は「肝臓が硬くなっているということを患者さんに具体的な数値で説明することで、病識を持ってもらえ、その後の治療につなげることができる。病状が進行する前に、定期的な検査で発見し治療することが大切」と話す。検査希望者は同クリニック(01654③1223)まで。