【名寄】
ピヤシリスキー場第2ゲレンデにある「ログパノラマ」を活用して飲食店を経営し、スキー場の活性化に一役買っている坂口智則さん(44)。今冬からは、宿泊を伴う市外スキーヤー、スノーボーダーなどの旅行者を受け入れる民泊施設「名寄ベース」(大通南8)の営業もスタートさせ、名寄の観光の盛り上げにも貢献している。
坂口さんは札幌市の出身で、市内の高校を卒業後、夏は小樽市内の海水浴場でライフセーバー、冬はトマムスキー場などでパトロール員として勤めていた。
現在は石狩市浜益区内で、毎年7、8月は海水浴場の運営や安全管理業務(同市が委託)を請け負うとともに、4月下旬から10月末までは民宿を経営。2020年からの冬シーズンは、ピヤシリスキー場の飲食店「ログパノラマ」、今冬から「名寄ベース」の民泊業をスタートさせ、夏期間は石狩市、冬期間は名寄市で事業展開している。
坂口さんはウインタースポーツも趣味の一つで、雪質日本一の名寄とピヤシリスキー場のことは知っていた。同スキー場を訪れた際、第2ゲレンデ北側に建っている使われていない「ログパノラマ」の存在を知り、「有効に活用できるのでは」との思いから、スキー場を運営する名寄振興公社に利用の相談を持ちかけ、20年シーズンから「ログパノラマ」の店名で営業をスタートさせた。
提供しているメニューは、飲み物がコーヒー、ココア、レモネード(各400円)、グラスビール(700円)、ホットワイン(600円)、水(200円)。
フードメニューのスパイスカレーは、坂口さん自身が調合したスパイスをはじめ、素材の味を生かした野菜と肉を使ったこだわりのカレーだ。スパイスの風味と共に素材のうま味が凝縮したカレーはまったく辛味がないため、子どもでも食べやすいのが特徴で、辛さはチリペッパーで調整もできる。値段は1200円で、スモールサイズは900円。
営業期間はスキー場オープンからクローズ(基本的に毎日)までで、時間は午前11時から午後4時(ラストオーダーは同3時半まで)。市民はもちろん、最近では観光で訪れている外国人スキー、スノーボーダーの来客も増えているとのこと。
また、店内には15歳以下を対象に暖かい飲み物やお菓子などを無料でもらえるコーナーも設置。坂口さんは「少しでも子どもたちにスキー、スノーボードに対して楽しい思い出をつくってほしい」と語る。
また、今冬からは民泊施設「名寄ベース」の営業も始めた。一日1組(定員は最大7人)限定の1棟貸し(4LDK)で、料金は素泊まり1泊2万5000円(インターネットサイトによって料金は若干異なる)。
国内外問わず名寄のスキー、スノーボード観光の盛り上げにも尽力した民泊営業に加え、宿泊客用にオリジナル飲食店マップを提供し、市内の経済活性化にも貢献している。
「ログパノラマ」と「名寄ベース」の営業について、坂口さんは「すべてにおいて質の高いサービス提供を心がけており、これからも自分ができる最大限の努力をしたい。また、スキー、スノーボード人口が減少していることからも、名寄を訪れるすべての人たちが楽しんでもらえる環境づくりに努力し、名寄を盛り上げたい」と展望を話す。
営業のより一層の充実に向けては、「現在は日中のみの営業としているログパノラマを、夜の貸し切り・宿泊などを可能にして、夜は星空、翌朝はパウダースノーを滑って楽しんでもらえるようなサービスを提供したい」など意欲を見せる。
民泊に関する詳しい情報はブッキングドットコム、Airbnb(エアビー)から。問い合わせは坂口さん(090―9752―3469)まで。