名寄市2024年度予算案 一般会計は過去最高の242億9304万円 東中学校は移転、改築、産業高光凌キャンパスを活用

【名寄】

2024度一般会計予算案

名寄市の2024年度(令和6年度)予算案が22日に発表された。一般会計予算額は過去最高規模となる242億9304万円で、前年度比5億3732万円の増。デジタル技術活用による市民サービス、子ども子育ての充実などの施策を多く盛り込んだ。また、特別会計と企業会計を加えた予算総額は504億8739万円で、同比1・8%の増とした。
 予算案の発表で加藤剛士市長は、まちづくりの核となる総合計画と総合戦略の具現化、将来にわたる地域生活の維持への取り組み(コンパクトなまちづくりの推進など)、子ども・子育て政策の推進、持続可能で健全な財政運営の維持―を基本に予算編成したことを説明した。
予算案の一般会計歳入は、総体の約4割を占める国の地方交付税を同比9千万円、1.0%増の94億9千万円。自主財源の根幹となる市税は同比1億4099万円、4.7%減となる28億6989万円を計上。
基金状況は、繰入金を同比8億9806万円、52.6%の大幅な増となる26億569万円とした。
普通建設事業は、認定こども園整備や智恵文小中学校整備、給食センター施設改修など継続も含めた大型事業があるため、同比5354万円、1.6%減の32億2859万円。
加藤市長は、過去最高規模の一般会計予算で、デジタル活用による市民サービスや行政運営、子ども・子育て支援などに力を入れた他、幅広い分野で価格が高騰していることなども予算額を引き上げた要因になったとし、「新しいチャレンジに取り組みながらも、スクラップなども視野にメリハリをつけて施策を推進する」と説明した。
主な新規事業に、「名寄東中学校整備事業」「小学校空調設備設置工事」「道路情報GIS導入事業」「なよろ温泉RVパーク整備事業」「名高アオハル応援事業」などとなっている。
また、力を入れて取り組む子ども・子育て政策関連では、持ち帰りを基本としていた紙おむつを自園処理する「市立認定こども園等における使用済み紙おむつ処分事業」をはじめ、小学生までとしていた通院医療費の全額助成を高校生までに拡大する「乳幼児等医療給付事業」などが盛り込まれている。
名寄東中学校整備事業は、来年3月末で閉校となる名寄産業高校光凌キャンパスに移転して活用するため、実施設計を行うもの。木村睦市教育部長は、移転の詳細について道教委と調整中とした上で、「最短で令和8年度の夏休み中に引っ越しする予定」とした。
この他、子育て支援にも関係する小学校環境の充実に向けたエアコン設置は、24年度については名寄、東、西、中名寄の4校を対象に実施。多くの地域住民が来場して毎年にぎわっている「なよろ産業まつり」は、例年なよろ健康の森を会場としていたが、今年から来場しやすくするため市街地に変更し、浅江島公園近郊で開催する。