名寄消防団第3分団 「活動の歴史、未来に残したい」 北国博物館へ金馬簾施した纏を寄贈

【名寄】

名寄消防団(宮下昌樹団長)第3分団(村山聡分団長)による「纏(まとい)」の寄贈式が、22日午前10時から北国博物館(金田卓浩館長)で行われた。
名寄消防署(谷口直寿署長)担当課によると、纏は消防組が火事場で、組の誇りとする目印として掲げたもの。
第3分団の纏(大きさ約2m)は、市内西11南10の同団詰所内でガラスケースの中で長らく保存。纏には馬簾(ばれん)と呼ばれる帯状の飾りが施されているが、今回寄贈された纏には、消防成績優秀または功績がたたえられた金馬簾が施されている。
この金馬簾は、1935年9月1日に名寄消防団第3部(現第3分団)に、北海道庁長官から使用認可を得たもの。名寄で現存する唯一の物となっている。
また、纏に合わせて名寄消防団が使用していた防火服、防火帽、手動式サイレン、警鐘など計14点が寄贈された。
寄贈式には、同館から金田館長、消防からは今田恭嗣副団長、村山聡第3分団長、谷口署長らが出席。
宮下団長に代わり今田副団長が「この纏は、先人たちが築き上げてくださった多くの努力のたまもの。名寄消防団の活動の歴史を示す重要なもので、『纏を未来に残したい』という思いから、北国博物館に寄贈を相談したところ、快く受け入れていただいた。多くの地域の方々に、これらの品を見てもらえることを大変光栄に思う。名寄消防団が大切にしてきたものが、未来の世代に引き継がれるとともに、博物館がさらに学びの場として活用されることを願っている」と挨拶。
寄贈を受け、金田館長は「貴重な資料を寄贈いただき感謝している。特に纏については、金馬簾の栄誉を受けた大切なもので、名寄で唯一現存するものと聞いている。貴重なものを寄贈いただき、多くの市民に見てもらえる機会を与えていただき、博物館としてとてもありがたく思う。多くの方々に見てもらえるようにしたい」と感謝した。
同館によると、寄贈品は同館正面出入口付近に展示される。