国内最高峰チェーンソー大会「エゾカップ」 出場者6人で「休憩所」を制作 躍動感ある野生動物、ベンチや案内板

【下川】

12回目を迎えた国内最高峰、道内唯一のチェーンソーアート大会「EZOCUP」(エゾカップ)が、4日から4日間、桜ヶ丘公園フレペ広場などで開かれた。
チェーンソーアートはチェーンソーを使って丸太から彫刻作品を作り上げる芸術。エゾカップは有志の実行委員会(木霊光実行委員長)が主催した。
今回のテーマは「自然と人が織りなす芸術」。町内上名寄には今後、名寄川サイクリングロードの休憩所が設けられるが、そこにベンチやインフォメーションボード(案内板)として設置する作品を、北海道の雄大な自然をイメージして制作した。
出場者は招待を受けた栗田宏武さん(千葉県)、Sylvia ltzen=シルビア=さん(ドイツ)、Chris Wood=クリス=さん(ウェールズ)に加え、音琴冰春=ネゴトスイシュン=さん(富山県)、小林哲二さん(群馬県)、渋谷菜津子さん(兵庫県)。暑さや雨に負けず、エンジン音を響かせて彫り、着色も施して、全員で「休憩所」という、一つの大きな作品を仕上げた。
事前に木霊実行委員長が全体イメージを伝え、これを基に出場者がアイデアを出し合い、役割分担しながら作業に当たった。栗田さんの彫った生き生きとしたオジロワシのベンチと、クリスさんの彫った魚をくわえる迫力あるクマのベンチは、接続して一つのベンチになる。シルビアさんはキツネや複数の箱が連結した、インフォメーションボードを彫り上げた。
一つの作品を30分で彫るクイックカービングも実施。6日には森ジャム会場の「美桑が丘」で招待出場者が一人ずつ合計3回、7日も桜ヶ丘公園で出場者全員が一斉に行い、来場者に作品をプレゼントした。
6、7日には下川町森林組合による林業機械のハーベスタ、フォワーダの試乗体験、ソフトエアガンを用いた射的ができる狩猟体験、旭川市内の道立林業大学校「北の森づくり専門学院」と上川北部森林管理署(下川)による木工ワークショップなどが行われた。
閉会式では、最も作品制作に貢献した「功労賞」にシルビアさんが選ばれ、賞金10万円と記念品が贈られた。「他の大会にない貴重な経験と挑戦」と振り返った。小林さんは田村泰司町長から町長賞、栗田さんは松岡孝幸下川町森林組合長から森林組合長賞を受け、協賛企業からの表彰も行われた。
木霊実行委員長は「下川の自然と調和のとれた、りっぱな作品が完成し、新しい撮影や観光のスポットとなることと思う。エゾカップは今回で一区切りをつけて休止。国際的イベントも参考にして開催してきたが、少数精鋭で行う中、出場者に大変な思いもさせた。再開も考えているので、皆さんの意見も取り入れ、今以上に良いイベントにしたい」と述べた。