地域と共に歩む名寄駐屯地 3

3 地域への支援

名寄駐屯地が管轄する隊区は、北から順に礼文町、利尻町、東利尻町、稚内市、猿払村、豊富町、幌延町、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、中川町、音威子府村、美深町、下川町、名寄市、士別市の16市町村に渡り、面積は8466㎢と広大な北海道の1割を占める。
駐屯地設置後は、さまざまな地域で支援活動を実施している。特に、開設当時は、名寄市の除雪態勢が十分でなく、自衛隊によるブルドーザー運行、隊員による手作業での除雪協力がなされた。
その後、施設隊駐屯後は、南広場、8号道路など幹線道路、学校のグラウンド整地などの部外工事(自衛隊が訓練目的で、国や自治体の土木工事を請負うこと)の実施など、戦後のインフラ整備が十分でなかった名寄市において、大きな役割を担っていた。
河川の氾濫や堤防決壊などの水害、市街地火災や山林火災、豪雪時などの災害支援、さらには、山菜採りの不明者捜索などの人命救助は、名寄市はもとより、周辺地域に暮らす住民にとっても、大きな支えになっている。
この他、市内では、てっし名寄まつりの朔北太鼓、雪質日本一フェスティバル、ふうれん冬まつりの大雪像製作、2度に渡る国体冬季スキー競技会の大規模支援などを実施。また、市外においても、しもかわアイスキャンドルミュージアム、しべつ雪まつり、枝幸かにまつりなどの観光・スポーツ・イベントなど、幅広い分野で地域における支援活動を展開しており、まちづくりに大きな影響を与えている。
駐屯地内には、幹部職員などで構成する「名寄修親会」、陸曹で構成する「曹友会」などのボランティア組織がある。コロナ禍で、活動は一時停滞したものの、クリーン作戦、特別養護老人ホームでの窓拭き、交通安全運動の街頭啓発、北の天文字焼き支援などを実施しており、積極的に市民との交流などを行っている。
さらに、個々の隊員は市民でもあるので、PTA・子ども育成会などの社会教育活動、町内会やスポーツ・文化団体などの役員、指導者として、さまざまな地域活動を実施していることも大きい。
一方、市議会においても、自衛隊出身者が議員として活躍している。