地域の子どもに小さな成功体験を…みくわ放牧8年目

 町民みんなの森林・下川町南町の美桑が丘でのどさんこハナの放牧は、2023年が8年目。以下はその2023年につづった話である。
 下川町三の橋の牧場で冬を越した、在来馬ドサンコのハナだが、2023年も春から下川町南町の美桑が丘森林内で、ササ刈りを兼ねた放牧を再開している。
 子どもの頃に得た「小さな成功体験」は、大人になってからの「大きな自信」につながると筆者は感じている。
 子どもたちが、馬に触れた、餌をあげた、馬の背中に乗ったという体験は、子どもの頃の成功体験という「思い出」となり、将来の自信に結び付くと思う。
 そんな小さな成功体験が得られる環境を、下川町で日常化していきたい。
 下川町西町のふるさと通り線沿いにある自宅の庭に、時々、ハナを連れてきて放牧しているが、目的の一つにそういった狙いもある。自宅の庭はまちなかの子どもも、気軽に歩いて来ることができる。もちろん大人にも、たくさん触れ合っていただきたい。子どもも若い大人も高齢の方も、一緒に楽しんでもらいたい。
 雪解けの早くなった今年、例年と比べ1カ月以上早く、ハナに乗ってまちなかを往来。3月21日には、残雪のある自宅庭に連れてきて放牧。三の橋の牧場と自宅庭を何度も行き来し、近所の方たちに馬と触れ合っていただいた。
 美桑が丘の森林整備を兼ねた放牧も、開始時期を例年より1カ月早めた。4月21日に同丘の皆さんと電気柵を張って、翌日から放牧を始めた。
 一方で4、5月の大型連休(ゴールデンウイーク)には、連日、自宅庭に連れてきて放牧した。
 そして5月6日から、美桑が丘での放牧を本格的に再開。同丘森林の中央にツリーテラスがあり、その奥のカラマツ林のササヤブにハナを放牧している。ハナは一生懸命、ササを食べている。
 周囲からは中学校、ヨックル、こども園、市街地を見下ろせる。芽吹く木々や草花、鳥のさえずり、時々姿を見せるエゾリス、森林の命の営みが、愛馬ハナと共に癒やしてくれる。
 まちなかに近い町有の森林、町民みんなで憩いの森林づくりを展開する「美桑が丘」(みくわ)へ気軽に訪れて、ハナとも触れ合っていただけたら、筆者もハナもうれしい。

<今回は2023年5月22日付名寄新聞掲載の記事を基に再構成しました>