安全対策など理解深める しもかわ地域振興機構 雪下ろし講習会

【下川】

「雪下ろし講習会」が、11日午前10時半から下川町まちおこしセンター「コモレビ」などで開かれ、雪下ろしの安全対策に理解を深めた。
しもかわ地域振興機構(空き家対策)の主催。国土交通省の克雪体制づくりアドバイザー派遣制度を活用して初開催され、講師に北海道教育大学准教授の堤拓哉さん(工学博士)を招いた。
堤さんは、北海道の雪下ろしによる事故は、はしごからの転落が全体の4割を占めているとし、「屋根に上がる前の事故が多い。はしごを押さえる人など、作業は3人程度の複数人で行うことが大切」と説明。
屋根の雪下ろしは危険な作業であるということを認識しなければならないとし、「東北地方などの建築物とは異なり、北海道の建築物はそもそも雪下ろしを考慮していない。屋根材はスケートリンク並みに滑りやすく、プロの業者でも命懸けだ」と強調。
木造建築物は最初に軒が壊れるので、軒付近の雪を取り除くだけでも良いと指摘。
雪下ろしの安全対策として、最低限必要な道具として、ヘルメット、ロープ、安全帯・ハーネスとし、「ヘルメットは、自転車用やスキー用ではなく、工事用を用いること。たとえ、車庫などの低い建築物でもヘルメットは必要」と強調。
この他、命綱に用いるロープの選び方や、命綱とハーネスをつなぐ際に使う「8の字結び」の方法、命綱の固定方法、作業前のチェックポイント、雪庇(せっぴ)の落とし方などに理解を深めた。
座学終了後、参加者はハーネスやヘルメットを着用し、屋外での実地研修。
町内の空き家を訪れ、ロープを固定した木片を雪に埋めるというアンカーの確保の仕方も学んだ。
実際に屋根に上がり、命綱とハーネスをカラビナで固定して作業開始。スノーダンプで雪を下ろしたり、スコップで雪庇を落としたりする作業に一人一人が挑戦。
雪庇落としでは、屋根と雪庇の境目が分からず、おっかなびっくりの表情で作業。雪庇にスコップで切り目を入れるなど、コツを学んだ他、命綱を装着した状態では、動きにくいことを実感して、参加者は雪下ろし事故防止対策の参考としていた。

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