尊厳ある避難所運営学ぶ 名寄市男女共同参画セミナー 吉田さん、 SI名寄の表彰式も

【名寄】

名寄市男女共同参画セミナーが、9日午後1時半から「よろーな」で開かれた。
名寄市、名寄市男女共同参画推進委員会(大坂祐二委員長)の主催。講師は、冬の災害対策のプロフェッショナルとして活躍する根本昌宏日本赤十字北海道看護大学看護薬理学領域教授で、「男女共同参画の視点を踏まえた、人の尊厳を護る避難所の開設と運営」をテーマに講演した。
一般市民など約100人が参加。セミナーは2部構成で、1部が講演会、2部は参加者による意見交換会が行われた。
講演会で根本教授は「無関心や利己的、想像力の欠如、認識不足は人道の敵」とした上で、「人道の敵は防災の敵、ジェンダー平等の敵」と話した。
災害に伴う避難所運営のポイントで「トイレ環境が重要」と強調し、「女性の視点で環境を整えること。トイレは1人になって心を落ち着かせられるパーソナルスペースにもなるため、男女別の動線、明るさや寒さ対策などの安全性、衛生面に十分配慮すること」と説明した。
この他、避難所生活による健康維持を踏まえた災害食の重要性なども分かりやすく伝え、参加者は万が一に備えて知識を深めた。
意見交換では根本教授を交え、参加者らが避難所生活に必要な知恵などを話し合った。
セミナーに先立ち、名寄市男女共同参画推進事業者の表彰式も行われ、助産師の吉田征子さんと国際ソロプチミスト名寄(橋本いづみ会長)が表彰された。
第2次名寄市男女共同参画推進計画に基づいた取り組み。男女が共に働きやすく、子育てしやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる事業者などを毎年表彰している。
受賞した吉田さんは2003年から、幼児から大学生までを対象とした「命の授業」などに取り組み、命の大切さを伝えている。性などに関する個人の意思を尊重するための啓発、女性への暴力根絶や性犯罪防止につながる活動に尽力。
国際ソロプチミスト名寄は、女性と女児の生活・地位向上ため、DV防止ホットラインポスター掲示や相談先の市民周知など、女性に対するあらゆる暴力の根絶につながる活動に貢献している。
表彰式では、加藤剛士市長から表彰状を受けた吉田さんが「これからも性別に関わらず誰もが生活しやすい環境づくりに協力したい」。橋本会長が「今後も女性と女児を守る活動を継続したい」などと話した。