今回は毎年恒例となってきた下川小学校での乗馬体験の始まりについてつづる。
時は2020年。下川小学校自然体験クラブの6年生10人を対象とした乗馬体験を、11月19日に愛馬ハナを放牧している下川町三の橋の牧場敷地で行った。
同校4年生以上を対象とした地域との連携によるクラブ活動(年度内5回)の一環。町の「未来の学びコーディネーター」が、学校と地域を結ぶパイプ役を果たしている。四つのクラブがあり、自然体験クラブはその一つである。
乗馬体験には、筆者とハナ、地域のボランティアが協力。打ち合わせでは、児童一人一人が筆者の引馬でハナに乗り、牧草地を1周ずつ巡って、馬の世話もいろいろ体験してもらう予定だった。
だが当日は雨。あらかじめ雨も想定し、防水と防寒の徹底をお願いしておいたが、なるべく雨を避けながら、どこまで体験が可能か。2時間前に現地で準備を始め、ハナと運動しながら考えた。
雨の中、引馬でハナと敷地内を歩き回ると、雨宿りにちょうど良い広さの厩舎(きゅうしゃ)と小屋が目に入った。この二つの雨宿りポイントで児童に5人ずつ分散して待機してもらい、小屋にいる児童をハナに乗せて、厩舎まで移動して降ろし、厩舎にいる児童をハナに乗せて、小屋へ移動して降ろすという動作を、厩舎と小屋の児童が全員入れ替わるまで繰り返し、遊び感覚で乗馬を楽しんでもらうことにした。
乗馬時間は児童一人1回1分程度。雨に当たる時間をその瞬間に抑えた。
何度かハナとシミュレーションを繰り返して備え、到着後直ちに決行。児童は、乗馬と共にメンバーが入れ替わる様子も楽しんでくれた。
その後は厩舎で児童一人一人が、ハナにニンジンを与えた。最初はハナの口からニンジンがポロリと落ちる場面もあったが「どうやったら食べやすいか考えよう」とアドバイスすると、ハナを気遣いながら上手に与えていた。
時間が余ったので、もう一度乗馬体験。児童全員の乗り降りが1回目と比べ、格段にうまくなっており、滞在わずか50分間に成長を見られたのが印象に残った。児童から思いっきり楽しむ様子も伝わってきて、可能な範囲で実施してよかったと感じる。
関係者、保護者の皆さんへ感謝申し上げます。雨の中、頑張ったハナにも「お疲れさま」と言いたい。
<今回は名寄新聞の2020年12月11日付掲載記事を基に再構成しました>
地域共育における乗馬体験について関連インタビューこちら。
https://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/chiikikyouikuvision/interview/index2.html