山下道場の夏坂珠代さん(名寄東中) 十勝カップ中学生柔道選手権で優勝、中体連見据えて気引き締める

【名寄】

難敵を制して優勝し、笑顔も見せる夏坂さん

山下道場(主宰・山下徹さん)所属の夏坂珠代さん(名寄東中3年)は、第15回十勝カップ北海道中学生柔道選手権大会の個人戦女子57kg級で優勝した。決勝では難敵を相手に背負い投げを決め、一本を取って制したが、既に中体連全道大会を見据えており、「父や山下先生から教えていただいていることをしっかりやっていきたい」と気を引き締める。
同大会は、実行委員会が主催。鹿追町、北海道柔道連盟、十勝柔道連盟、十勝毎日新聞社などが後援。4日に鹿追町総合スポーツセンターで開催した。
中体連全道大会の前哨戦と位置付けられている同大会で、全道各地から強豪の選手が集まった。
夏坂さんは個人戦女子57kg級(20人エントリー)に出場。1回戦シードで、2回戦は体落としで一本、3回戦は足払いで一本。準決勝は相手選手の指導で反則勝ちとなった。
決勝は帯広の選手と対戦。小学生時代から対戦しており、「あまり勝ったことがない相手。勝てるか不安だった」と話すが、試合開始1分半ほどで有利な体勢に持ち込み、背負い投げを決めて一本を取り、優勝した。
中学1年だった2022年はコロナ禍で大会は中止されたが、昨年は個人戦女子48kg級を制し、2年連続優勝を果たした。
難敵に勝利したことに「背負いの体勢に連続して入れたので、それが決まった。勝つことができて、うれしい」と語る。
既に中体連全道大会(7月30、31日、帯広市よつばアリーナ)を見据えており、「十勝カップで勝てたので、中体連の全道大会も優勝できれば。全国大会出場を目標にしているが、どれだけ勝ち上がれるか大切なので、父や山下先生から教えていただいていることをしっかりやっていきたい」と意気込みながら気を引き締める。
平日の稽古に加え、休日には北海高校柔道部に通い、兄の匠平さん(同校2年)らと練習を積んでおり「たくさん練習相手をしていたただき、とても良い経験になる」と語っている。
監督で父の泰輔さんは「相手と組んで終始、攻めたことで背負い投げを決めることができた。投げ切る力が課題だったが、しっかり投げて勝ったことは進歩。攻める力は負けないが、相手の手数には負けていたので、太刀打ちするために投げ技の練習を重ね、成果が出てきた」と評価している。
夏坂さんは中体連の全道大会、全国大会には1年生から出場しており、泰輔さんは「これからが本番。課題として隙もあるので、そこを詰めてほしい。一試合一試合、しっかりやることで日本一も見えてくる。気を抜かず甘く見ず、全て決勝のつもりで試合に臨んでほしい。今までの経験を中体連最後の夏にぶつけて」と期待を込めている。