幌馬車から見せた花嫁の笑顔

 下川町上名寄在住70代の女性からいただいた馬との思い出「幌馬車に乗ってお嫁入り」を紹介する。以下、寄稿から抜粋する。
 昭和28年ごろ、友人のお姉さんが嫁に行くとのことで、その当日、庭先には幌馬車があった。これを引く馬の前髪とたてがみを三つ編みにし、赤いリボンで結んであった。
 幌馬車の中には、優しいお姉さんが花嫁衣裳で腰を下ろしていた。黒の振袖、角かくしに、真っ赤な口紅でニッコリと微笑んだ。あの笑顔を今も忘れない。
 今になって思うけど、あの高い幌馬車に、花嫁衣裳の姿でどのように乗ったのかしら。下川市街地まで1里半(6km)の砂利路を、馬車に揺られてのお嫁入りだったと思う。
 
 以上、いただいた思い出。筆者の活動写真の様子にも触れたい。
筆者(小峰)が下川町で飼っている愛馬「ハナ」(ドサンコ)との活動写真だが、これは2016年6月16日に3度目の「ドサンコポタリング」(自転車と一緒に乗馬で路上走行)を、地元ポタリングサークルと実施したときの様子である。三の橋・二の橋から市街地へ続く山道(ペンケ方面)コースで、愛馬は起伏に富んだ坂道を、ものともせず走った。「下り坂では手綱の紐を伸ばしたり縮めたり、愛馬の体が前のめりにならないよう、足場に応じ調整しながら走らせた」と当時の日記につづっており、今では当たり前にこなしている外乗だが、下り坂でバランスを崩さないように気を使ったものである。

<今回は名寄新聞の2016年7月3日付の掲載記事を基に再構成しました>