悲劇繰り返さぬ 氷雪の門・九人の乙女平和祈念祭

第63回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭

第63回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭は20日、総合文化センターで執り行われ、九人の乙女の関係者3人を含む、来賓、一般市民など合わせて240人が参列し、80年経過した先の大戦による悲しい出来事を2度と繰り返さないよう恒久平和への決意を込めた。
樺太物故者に対し黙とうを捧げたあと、実行委員長の工藤広市長が式辞で1945年8月20日に旧樺太・真岡郵便局で起こった九人の乙女の悲劇に触れ「危険を顧みず電話交換手の職務を遂行した九人の乙女たちの最期は今もなお、多くの人々の胸に深く刻まれている。戦後80年が経ち、語り継ぐ方は次第に少なくなったが、ここ稚内で暮らす私たちはこの悲惨な歴史を風化させることなく、次を担う若い世代に平和の大切さ、命の尊さを訴え、語り継ぎ、平和で心豊かな社会を築くために力を尽くすことこそが、犠牲となられた御霊に報いる道」と述べた。
武部新衆議、鈴木直道知事(代読)、吉田孝史稚内市議会議長などが慰霊平和祈念のことばを述べたあと、参列者が花輪や一輪菊の献花、北海道詩吟連盟稚内支部の献吟、混声合唱団稚内フラウエンコールの合唱、稚内大谷高校吹奏楽部による演奏が行われた。
真岡郵便局で九人の乙女らと同僚だった母を持ち、この悲劇を扱った舞台の脚本演出を務める中間真永さんは「舞台を通じてこの出来事を風化させない。より強い気持ちで平和と未来のバトンを若い世代に渡したい」と話した。   (東賢人)

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