早期の動脈硬化発見へ たに内科で「動脈硬化ドック」 道内6施設のみ導入のFMD検査実施

【名寄】

FMD検査を行う平沼さん

市内西8南11のたに内科クリニック(谷光憲院長)では、動脈硬化を早期に見つける「動脈硬化ドック」を再開。血管の伸縮拡張性を検査するFMD(血流依存性血管拡張反応)検査と血液検査によって、より早期の動脈硬化発見に有効とのこと。谷院長は「動脈硬化は生活習慣により、知らず知らずのうちに進んでいることがある。たくさんの人に動脈硬化予防への関心を持ってもらえるきっかけになれば」と話している。
谷院長によると、動脈硬化は血管の弾力性がなくなり、傷付き、そこにコレステロールがたまることで、血管が狭さくされることという。高血圧などが原因で、動脈硬化が進行すると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など重篤な病気を招く恐れがある。
同クリニックの動脈硬化ドックは、初期の動脈硬化発見に有効なFMD検査と血液検査(コレステロール、中性脂肪、血糖値など)を併用し、動脈硬化をより早期に発見し治療につなげることを目的としたもの。このFMD検査を実施している医療機関は、同クリニックを含め道内でわずか6カ所のみ(8月26日現在)という。
同クリニック臨床検査技師の平沼法義さんによると、動脈は内膜、中膜、外膜と3層構造。血液と常に接しているのが内膜の内皮細胞で、この内皮細胞が生産する物質の中で重要なのが一酸化窒素(NO)という。平沼さんは「内皮細胞でNOがつくられ、これがシグナルとなって筋肉を弛緩させ、血管を拡張させている」という。
FMD検査は、この内皮細胞がNOをつくる力があるかを調べる検査。検査は超音波(エコー)で安静時の上腕動脈の血管幅を測定。その後、前腕を駆血帯で5分間圧迫。圧迫終了後、血管の拡張状態を再度、超音波で2分間測定し、安静時の血管径と圧迫後の血管径の拡張率で評価する。準備なども含め検査時間は約10分。
平沼さんは「正常値は6%以上で、5%未満で血管内皮機能障害が疑われる」とのこと。
同クリニックでは、10年ほど前にFMDを導入した経緯があるが、マンパワー不足のため中断を余儀なくされた。今年から検査技師2人が加わり再開する運びとなった。
動脈硬化ドックは当面、午前、午後それぞれ1人ずつ予約を受け付けていくとしている。検査料は5500円(税込)。問い合わせは、同クリニック(01654③1223)へ。

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